パレスチナ自治区ガザ(CNN) ガザ南部ラファで14日起きたイスラム強硬派ハマスと、イスラム法に従ったより厳格な統治を要求する勢力「ジュンド・アンサール・アラー(神の戦士)」の戦闘で、ガザの病院当局者は15日、同勢力を率いるアブドゥルラティフ・ムーサ師が死亡したと述べた。
国際テロ組織アルカイダに同調しているともされる同師は当初、ハマスから逃走したとみられていた。衝突では21人が死亡、少なくとも121人が負傷している。一般住民も巻き込まれたとみられる。
ガザを実効支配するハマスと、より過激なイスラム勢力の衝突となっている。ハマスはイスラエルの認知を拒み、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸を支配するアッバス自治政府議長と対立しているが、神の戦士はイスラエルとのより厳しい対決路線を標ぼう。イスラエルへの越境攻撃も仕掛けたことがある。
今回の戦闘は数時間続き、ハマスが同師の自宅を爆破した後、沈静化したという。ムーサ師は14日、モスク(イスラム教礼拝所)でイスラム国家の誕生を宣言する説教を行い、ガザの武装勢力が自らの下に結集するよう呼び掛けていた。
ハマス戦闘員がこのモスクを制圧しようとし、衝突したという。ハマスはこれまでモスクの明け渡しを要求していた。