2009年8月15日20時59分
静岡・駿河湾を震源とする11日の地震の被害で一部区間で不通となっていた東名高速は15日深夜、上り線の応急工事を終えて、4日ぶりに全面開通する予定。中日本高速道路は当初、12日中に全線復旧させる方針だったが、路肩が大きく崩落した上り線については、再三の工法変更で大幅にずれ込んだ。そのため、影響はお盆の帰省・Uターンラッシュを直撃した。
上り線で最後まで不通となっているのは、牧之原サービスエリア付近(静岡県牧之原市)の崩落現場をはさむ焼津、袋井両インターチェンジ間の45.8キロ。被害が比較的少なかった下り線は13日午前0時に復旧している。
崩落現場では当初、路肩部分の地中に鋼材を打ち込んで盛り土部分を安定させる工法で復旧を急いだものの、地震や台風9号に伴う降雨で地盤が想定以上に緩んでいたため難航。最終的には、土嚢(どのう)やセメントで補強しながら盛り土部分を積み上げる工法に変更した結果、上り線の復旧工事は15日夜までずれ込んだ。
同社は、完成から40年を超えた「大動脈」で起きた路肩崩落の原因を調査・分析するため、学識経験者を交えた検討委員会を設け、17日に現地調査と初会合をする予定。検討結果を現場の本格復旧や東名高速の老朽化対策に役立てる考えだ。
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牧之原サービスエリア付近(静岡県牧之原市)の崩落現場の復旧作業は15日午後8時現在で95%を終えたという。