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大阪府の学力テスト公開、文科省「ルール違反」文部科学省の方針に反し、13日、全国学力テストの市町村別結果の公開に踏み切った大阪府教委。「児童・生徒の学習に及ぼす影響は小さい」とする府情報公開審査会の答申に従い、昨夏以来、公開を求めてきた橋下徹・府知事の主張に沿う結果となった。文科省は「明らかにルール違反。全国に広がると、市町村の序列化につながる恐れがある」と強く反発。27日には2009年度分の都道府県別結果が発表される予定で、公開の是非を巡る論議が活発化しそうだ。〈本文記事1面〉 「学力テストの実施要領に反している」。文科省の岩本健吾・初等中等教育局参事官は語気を強めた。「混乱は生じていない」とする府教委の主張に対し、「各地でなし崩し的に公開される恐れがある。今のところ大阪で混乱がなくても全国の市町村が序列化されたらどうなるのか」と、同調する教委が出てくることへの懸念を示した。 橋下知事が「自主公表していない」として開示を見送った5市町の結果は、今回が初めての公開となる。市町の「公開しない」との判断を無視する形での公開に、阪口善雄・吹田市長は「審査会の答申を金科玉条にして、何でもかんでも公表することが許されるのか」と批判。熊取町も「今後も、町として公表するつもりはない」と強調した。 市町村別結果を巡っては、全国で判断が揺れている。「知る権利」に基づいて判断する情報公開審査会と、「教育的配慮」を主張する文科省の間で板挟みになる自治体も少なくない。 鳥取県教委は昨年8月、県情報公開審議会の答申に反して非開示としたが、県議会は開示を求める決議を採択。答申で公開を求められながら、市町村名などを黒塗りにした埼玉県教委の担当者は「答申は尊重したいが、文科省方針を考慮すれば公開はできない」としている。 情報公開制度に詳しい弁護士の森田明・神奈川大法科大学院教授は「情報公開の趣旨から言えば答申は最大限尊重するべきだ。全国でテストを実施すれば、こうした事態も想定できたはず。文科省が公開すべきでないと考えるなら、テストの在り方を含めて考え直すべきだろう」と話している。 (2009年8月14日 読売新聞)
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