ここから本文エリア もんじゅ再開 背水の陣2009年08月13日
敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」を来年3月末までに運転再開すると、県と敦賀市に伝えた文部科学省と日本原子力研究開発機構。停止から13年が経過し、再開時期はこれまで4度延期されてきた。新たな工程や見通しの説明は岡崎俊雄理事長ら原子力機構の幹部が伝えに来るのが通例だったが、12日は山内俊夫文科副大臣も同行し、危機感を持って今回に臨む姿勢を強調した。 ◇ ◇ 県庁で山内副大臣は「資源のないわが国のエネルギー政策上、もんじゅは不可欠。全力を挙げて取り組みたい」と西川一誠知事に決意表明。続いて岡崎理事長が再開工程を説明した。 もんじゅはトラブルの相次いだナトリウム漏れ検出器や屋外排気ダクトの修繕をすでに完了し、原子炉や周辺機器の機能を確かめる「プラント確認試験」が同日に終了。耐震安全性は、継続中の国の審議の進行状況を受けてもんじゅの安全性が確保される見通しがついたとした。 以前から県が求めていた人員体制の強化については、今年度内にもんじゅの職員を280人から300人に、40%出力試験までに310人に増員。もんじゅを含む原子力機構敦賀本部を12年度までに100人増の680人にすると説明した。 聞き終わった西川知事は「工程を二度と変更しないよう。再度大きなトラブルがあれば、運転再開への県民の理解は得られないと肝に銘じてもらいたい」と応じた。 会談後、説明に同行した理由について山内副大臣は「(文科省と原子力機構の)ふんどしを締め直すためだ」と取材に答えた。 敦賀市では、原子力をいかして人材育成や産業活性化を図るエネルギー研究開発拠点化計画を県と進める立場から、河瀬一治市長が「もんじゅと共に支援してほしい」などと要請した。山内副大臣はその後、もんじゅの原子炉格納容器内や中央制御室を視察。職員約100人を集め「無事に運転再開して成果を上げれば、人類の宝になる。しっかり頑張ってほしい」と激励した。
マイタウン福井
|