今回の衆院選で、県医師会傘下の16ある各郡市医師会のうち、約7割にあたる11医師会が自主投票を決めていることが分かった。民主支持を検討する医師会もあり、政権選択選挙をにらみ、かつての自民の有力な支持母体も様相を変えつつある。
県医師会(会員約3300人)の政治運動を行う県医師連盟は昨年、衆院選への対応について、各郡市医師会の判断を尊重すると表明、自民以外の推薦も容認した。県医師連盟自体は日本医師連盟の方針に従い、従来通り自民候補を推薦したが、各郡市医師会の対応は拘束しない。
見附市南蒲原郡医師会は衆院解散が取りざたされていた昨年11月、民主の候補予定者を推薦する方針を決めた。解散が伸びたため決定はいったん白紙に戻されたが、田崎哲也会長は「今回もその方向になるだろう」と民主候補推薦を示唆。18日の公示以降に正式表明するという。
自主投票を決めたのは新潟▽長岡▽上越▽三条▽新発田▽五泉▽加茂▽十日町▽村上▽糸魚川▽燕--の11医師会。
新潟市医師会は、政治活動を担う同市医師連盟が10日、常任執行委員会を開いて決定。約30人の出席者からは「自民は一度野党にならないと地域医療を真剣に考えない」「民主は財源に不安がある」といった意見が出たが、「マニフェスト(政権公約)にあまり違いはない」と約20人が「自主投票」に賛同した。
長岡市、村上市岩船郡両医師会は、特定の候補の推薦はしない。上越、新発田北蒲原両医師会は自民、民主両党の候補予定者を推薦し、実質的な自主投票に。加茂市医師会も両党からの推薦依頼があれば応じる方針という。小千谷市魚沼市川口町医師会は、会員でもある自民新人候補予定者への推薦を決定している。【岡田英】
毎日新聞 2009年8月13日 地方版