北秋田市の津谷永光市長は11日の市議会全員協議会で、10月1日の予定だった北秋田市民病院の開業が10年4月に延期される見通しになったことを明らかにした。
同病院は公設民営方式で、市は08年9月に県厚生連を指定管理者に指定。「厚生連に対して赤字補てんなども行う」と従来の方針を変更し、開業準備を進めていた。
だが7月下旬、厚生連の佐藤博身理事長が患者の診療データをコンピューター管理するシステム医療機器が未発注のため10月開院は間に合わないとして、開業延期を市に申し入れた。
市側との契約書にあたる基本協定が締結されていないためといい、全員協議会に出席した厚生連の進藤英樹企画部長はその理由を「人事異動など組織内に変更があった」と説明した。開業先送りに伴い、市は9月議会に建物の維持管理費などを計上する予定。
協議会では市議から「厚生連側に責任がある」など反発の声が続出。協定未締結の背景には医師不足があり、津谷市長は「市も医師確保に努力するが厚生連も努力が足りない」と指摘した。【村川幸夫】
毎日新聞 2009年8月12日 地方版