猛虎再生へ、闘将が再びらつ腕をふるう。星野SDが、今月下旬にも開かれる拡大編成会議に出席するプランが浮上した。坂井オーナーが明らかにした。
「(編成会議は)南社長がまとめてうまくやってくれると思うが、星野SDの意見も交えながらね。(会議に)入ってもらった方が、いいかなと思っています」
総帥は同時に星野SDの来季続投について「はい、もちろん。星野さん自身から断りがない限りは。これからもサポートしてもらおうと考えています」と明言した。星野SDは4位に終わった就任1年目の02年オフ、立て直しに向けて、粛清を断行した。その貴重な経験を来季に生かして、真弓阪神の2年目を強力支援する考えだ。昨夏まで北京五輪監督に集中していたため、拡大編成会議に出席すれば、5年ぶりとなる。
『世代交代』を旗印にスタートした真弓阪神だが、岡田監督時代からレギュラーがほぼ固定化され、目指す若返りが思うように進んでいないのが現状だ。
真弓監督の来季続投は決定事項。2年目の指揮官をバックアップするために、思いきった戦力整備が必要なのは明白だ。そこで、星野総監督の出番。02年オフに遠山、星野伸、山田らを含む大量24人を一気に解雇し、大型補強を敢行。フリーエージェントで広島から強奪した金本を筆頭に、伊良部(現独立リーグ高知)、下柳らを獲得してチーム再建に成功した。
坂井オーナーは「3年ぐらいのサイクルで」と血の入れ替えを進める考え。現有戦力を見極め、来季の編成を検討する今月末の『拡大編成会議』がその第一歩になる。
「今オフは、“リセット”の選手が多い」
ある球団幹部は明言する。長期の打撃不振が続く今岡は今季で複数年契約が終了。左肩痛で2軍調整中のウィリアムスは、来季の契約延長について球団側が決定権を持っている。6連敗中の下柳も、今季限りで2年契約が切れる。2軍にも秀太ら来季も必要な戦力か、どうか、厳しい目で吟味しなければいけない選手は多数いる。
星野SDは一気のリストラを推し進めた際、「24人を解雇したことに驚かないで、解雇しなければいけない人間が24人いたことを驚いてほしい」と話していた。チーム再建に情けは無用。豊富な経験、人脈、情報網を駆使してもらい、虎にとって、正しい決断を下してもらう。仕事はじめは拡大編成会議。闘将に虎の将来を託す。