2009年8月10日10時39分
グルジア紛争で犠牲となったグルジア兵が埋葬された墓地に8日、多数の親類が訪れた=トビリシ郊外、星井写す
【トビリシ=星井麻紀】グルジア紛争から1年が過ぎた8日、首都トビリシの郊外にある墓地に、紛争で家族や友人を失った人々が集まり、悲しみを新たにした。紛争の結果、南オセチアとアブハジア自治共和国を失ったグルジア。人々は「祖国統一」への強い思いを訴えた。
「対話路線を取るサアカシュビリ大統領のやり方は正しい」。ロシア兵に戦友を殺害された青年は、その墓の前で政権への期待を口にした。「平和的な方法なら領土の統一は可能だと信じる」
だが、いとこを失ったインガさん(40)は対話路線に懐疑的だ。「ロシアが対話に応じるはずがない。政府がまた戦うなら、私は支持する。ロシアの不法占拠が許されるはずがない」と憤った。
24歳の親類を失ったマムカさん(42)は「現政権では対話は実現しないだろう。だが、野党にも対話の能力があるかはわからない。グルジアは、いつ統一できるのか」と表情を曇らせた。