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出羽小プール事故で教諭書類送検 08年7月、安全指導怠った疑い

2009年08月10日 19:42
 山形市の出羽小で2008年7月、5年生の女子児童(11)が飛び込み台から飛び込んだ際、プールの底に頭を打ち大けがをした事故で、山形署は10日、指導に当たって安全配慮と注意を怠ったとして、5年生の学年主任(当時)の男性教諭(47)を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。

 送検容疑は、男性教諭は08年7月23日午後1時45分ごろ、山形市漆山の出羽小敷地内のプール(縦25メートル、横13メートル、深さ1.1〜0.89メートル)で、5年生23人が水泳の練習中、安全に配慮した指導、注意を怠り、女子児童を漫然と飛び込み台から飛び込みをさせた。その結果、頭をプールの底に打ち付けさせ、首の骨を折るなどのけがを負わせた疑い。女子児童は通常より高く飛んだため勢いが増すなどしてプールの底に頭を打ち付けたという。

 県警によると、翌日に山形市小学校水泳記録会が予定されていたことを受け、男性教諭は飛び込み台からスタートする練習をさせていた。その際、レベルに応じてグループ分けした。男性教諭は比較的、レベルが低いグループに付きっきりで指導していたため、女子児童が属していたグループに目が行き届かなかった。さらに、男性教諭は女子児童に対し、飛び込みの危険性を具体的に説明していなかったという。

 県警は、(1)男性教諭が練習内容を作成した(2)着水する際に胸を張るなど安全な飛び込みをしなければ、事故につながることを予見できた(3)女子児童に対し正しい飛び込み法や危険性を詳しく説明するなどの回避措置を取らなかった−ことが要因となって事故が起きたと判断。立件に踏み切った。プールにはほかに2人の女性教諭がいたが、飛び込み台から離れた位置で指導していたことなどから立件を見送った。
  ◇
 書類送検を受け、出羽小の手塚秀雄校長は「大変重く受け止めている。学校としては子どもたちの安全確保について万全を期して参ります」とコメント。大けがをした女子児童について「自宅でリハビリを続けながら週に3、4回登校し、市の特別支援指導員の補助を受けて学習に励んでいる」と説明した。山形市の後藤恒裕教育長は「真摯(しんし)に受け止めている。二度とこのような事故が起きないようにさらに注意をしていくとともに、(検察の対応など)今後の推移について見守りたい」としている。

 山形市教育委員会は事故の発生後、全市立小のスタート台を撤去。さらに、昨年度末に作成したガイドラインで、市立小中学校のプールでは、中学校の部活動を除いて飛び込み台などの高い位置からスタートする指導を禁止した。

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