原爆詩朗読会を合唱でしめくくる松川中学の生徒と吉永小百合さん(右から2人目) |
長崎原爆の日の9日、女優吉永小百合さんによる原爆詩朗読会が北安曇郡松川村の安曇野ちひろ美術館で開かれた。主演映画「母(かあ)べえ」でコンビを組んだ映画監督山田洋次さんが「いわさきちひろ記念事業団」(東京)理事長を務めている縁などで開催が決まった。同村の松川中学校の生徒約70人が、原爆の悲惨さと平和の尊さを伝える朗読に聞き入った。
吉永さんは、「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる峠三吉さんの詩など九つの詩を20分ほどかけて朗読。一つの詩が終わるたびに目をつむり、祈るようにして次の詩に移っていた。山田さんとの対談で吉永さんは、20年以上続けている朗読活動について「一人の人間として、戦争が起きないように、と思って続けている」と語った。
広島市で6日に行われた平和記念式典に出席した同中の生徒3人が「戦争や核兵器の愚かさ、悲しさを学び、二度と被害者を出さないようにしなければならない」と報告。生徒と吉永さんの合唱で会をしめくくった。