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訴訟:金メダル柔道家、中1事故死責任 広島地裁賠償命令

 ミュンヘン五輪(72年)柔道の金メダリスト、川口孝夫さん(59)が館長を務める川口道場=広島市安佐南区=で07年、中学1年の佐々木天馬さん(当時12歳)が練習中に頭を打ったのが原因で死亡したのは、安全配慮義務などを怠ったのが原因として、両親が、川口館長ら6人に約8400万円の慰謝料などを求めた訴訟の判決が7日、広島地裁であった。福田修久裁判官は「安全を最大限重視し、指導監督すべきであった」として、川口館長に約2400万円の支払いを命じた。

 判決によると、佐々木さんは07年6月22日、男子中学生との投げ込み練習中に、後頭部を強く打って意識不明となり、同年7月6日、急性硬膜下血腫で死亡した。福田裁判官は「同じ中学生との投げ込み練習では、天馬さんの他にも頭を打った門下生が何人もおり、指揮監督者である川口館長は責任を免れることはできない」と指摘した。

 川口館長は明治大学在学中に、ミュンヘン五輪柔道軽量級で金メダルを獲得した。全日本柔道連盟理事などを務めている。【寺岡俊】

毎日新聞 2009年8月8日 東京朝刊

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