生肉の取扱い
カンピロバクター食中毒は、近年、わが国で発生している食中毒の中で、発生件数が多い食中毒です。この菌は、ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物などあらゆる動物が保菌しています。通常の食中毒菌とは異なり、少量の菌でも食中毒が発生します。
原因食品として、鶏肉が疑われるもの(鶏レバーやささみなどの刺身、鶏のタタキ、鶏わさなどの半生製品、加熱不足の調理品など)があげられます。
この菌の特徴から、予防方法を見てみましょう。
食肉は十分に加熱調理を行いましょう
中心部を75℃以上で1分間以上加熱しましょう。「湯引き」と呼ばれる、鶏肉を湯にくぐらせる程度の加熱では、カンピロバクターは死滅しません。焼き鳥、肉団子、鶏の唐揚げなど、焼く・煮る・揚げるなどの調理をする場合は、中心部の色がピンク色から白く変わるまで加熱しましょう。
食肉は他の食品と分けて保存しましょう
生肉は専用のふたつき容器に入れて保管し、冷蔵庫内でほかの食品に触れたり、肉汁がこぼれないよう注意しましょう。また、果物やサラダのような、生で食べる物や調理の済んだ食品にかからないようにしましょう。
食肉を取り扱った後は手を洗いましょう
生肉を取り扱った後は、十分に手を洗浄、消毒してから次の作業を行います。
途中でペットなど動物に触ったり、トイレに行ったりした後の手洗いも大切です。
包丁やまな板は、肉、魚、野菜用と別々に揃えて使い分けましょう
肉専用のまな板や包丁を用意し、使用後はすぐに洗浄、消毒しましょう。焼肉や鍋物、バーベキューなどは、自身のはしで生肉に触れないように、専用のはしやトングを用意し、食べるはしと使い分けましょう。
このほか、食肉の生食を原因とするものに腸管出血性大腸菌O157による食中毒があります。発生件数は年間10〜30件で推移しており、その多くが生レバー、牛刺し、ユッケなどの生食が原因です。感染力の強いこれらの菌に「新鮮だから」は通用しません。
特に、乳幼児や高齢者のほか、抵抗力が弱い方は、発症すると症状が重くなりやすいため注意が必要です。生肉及び加熱不十分な食肉の摂取は控えましょう。
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