岡山市立市民病院(北区)の将来を考えるシンポジウムが8日、同区春日町の勤労者福祉センターであった。岡山大学病院の森田潔院長ら3人が医療現場の課題などを報告した。市職労の主催で市民約40人が参加した。市民病院は老朽化が進んでおり、市が構想している高度な救急外来施設(岡山型ER)設置などとあわせて、今後のあり方が検討されている。建て替えなど市民病院の具体的な将来構想は市長選の争点ともなっている。
一方で、市は岡山大と医療分野で連携する協定を3月に締結している。森田院長は「大学病院は高度な先端医療を行うが、医師の育成には風邪など初期医療が必要。安定的な人材供給を求めていた市民病院と教育の場がほしい大学の思いが一致した」と連携の目的を説明。また、公立病院の経営について「病院の収入の大半は診療報酬。公立病院は不採算医療もやるため、単に市場経済で経営するのは不可能だ」と述べた。【椋田佳代】
毎日新聞 2009年8月9日 地方版