深刻な経営難と医師不足に悩む四国中央市の県立三島病院について、県は7日、経営を民間に移譲し、地域の中核病院として再生させる方針を発表した。
県によると、同病院は当初、内科▽小児科▽眼科▽産婦人科▽外科など13科、病床数179床だった。しかし04年の臨床研修医制度の改正を契機に医師不足が進み、医師は今年度、定数18人のところ9人まで減少し、診療科も9科に減っている。病床も昨年以降110床しか稼働していない。
昨年3月から小児科医が不在となり、同年7月に小児科を休診。その後愛媛大医学部から若手医師の派遣を受けて小児救急のみ続け、今年4月からは同大学と県立中央病院の幹部医師の協力を得て続けてきたが、6月から小児救急も休止した。07年度決算で約6億円の赤字を出し、累積欠損金も07年度決算で約94億円となった。
県によると、小児科が再開されるかどうかは譲渡先次第だとしている。県は、県立新居浜病院(新居浜市)のサテライト病院化する▽県による地方独立行政法人化▽指定管理者への委託▽地元市への移譲--などを検討したが、民間譲渡が比較的問題が少ないとした。県は県立三島病院の民間譲渡・再建を含む地域医療再生計画を10月上旬に取りまとめ、国に提出する方針。【古谷秀綱】
毎日新聞 2009年8月8日 地方版