シンポジウム「地域医療連携システムの構築 現状と今後の展望」が、和歌山市紀三井寺の県立医大講堂であった。研究成果などを発表する和歌山医学会総会の一環で、医師や社会福祉士ら7人が取り組みを報告、約200人が参加した。
日赤和歌山医療センター産婦人科は、開業医と連携した実例を紹介。勤務医不足でPICU(周産期集中治療施設)の維持が難しくなり、地域の開業医に当直を分担してもらったと報告した。また、大腿骨(だいたいこつ)頸部(けいぶ)骨折▽脳卒中▽心筋こうそく▽糖尿病--などで、診療内容や治療計画などの患者情報を複数の医療機関が共有する地域連携パス(クリティカルパス)の取り組みを説明した。
「軽症段階でも半年に一度、基幹病院で検査を受けてもらい、糖尿病の合併症抑制につながった」「転院先も合わせた平均在院日数が減った」と効果が報告される一方、「記入漏れが多く、不要と思われる項目もあった」などと課題も指摘された。【加藤明子】
毎日新聞 2009年8月8日 地方版