朝霞、和光両市の鮨(すし)商組合(佐野光司組合長)は、加盟13店舗内に飲酒運転防止を呼びかける警報機を設置して効果を上げている。
装置は縦12センチ、横6センチ。トイレのドアを開けると、センサーが感知して女性の声で「お酒を飲んだら運転はしないでください。大切な家族のお願いです」と呼びかける。さらに30秒後、手洗いが終わったころに「お帰りは地元代行車かタクシーのご利用を……」。
組合総会で、07年度県優良製品コンテストに入賞し、実用新案特許を取得した東松山市のメーカーから説明を受け、飲酒運転追放運動の一環として警報機をリースで付けることになった。
東武東上線和光市駅前のすし店主、川瀬勉さん(66)は「お客さんに直接は言いにくかった。家族の声にでも聞こえるんでしょうか、警報機を取り付けてから代行車を呼ぶ人が多くなった」。
朝霞署管内は、今年上半期に飲酒運転が原因の事故が5件あり、昨年同期より4人多い5人が重軽傷を負っている。小中松志署交通課長は「管内では初めてのしゃべる警報機の設置。ラーメン店など他の飲食店にも広めたい」と話している。【藤川敏久】
毎日新聞 2009年8月5日 地方版