裁判員制度トップページ > トピックス > 映画「審理」の披露試写会を行いました(2008.4)
4月から全国の裁判所で貸出を開始しました
→お問い合わせは,お近くの地方裁判所の総務課へ
平成20年3月25日(火),最高裁判所講堂で,映画「審理」の披露試写会を行いました。会場には,主演の酒井法子さん,星野真里さん,田中圭さん,相島一之さん,小林涼子さんら出演者が駆けつけてくださいました。
●島田最高裁長官
今日は,最高裁判所まで,たくさんの方にお越しいただきまして,誠にありがとうございます。
あと1年余りで裁判員制度が始まることになりますが,裁判員制度のもとで刑事裁判はどのような形でおこなわれるのか,その姿を映したものが本日の映画でございます。
皆様方は,ご自分が裁判員に選ばれたおつもりになって,どうか最後までゆっくりとご鑑賞いただきたいと存じます。
また,原田監督始め,俳優及びスタッフの方々が,大変熱心にこの映画の制作に取り組んでくださいましたので,とても質の高い映画が制作されたと感謝しております。
そして最後に,大変残念ながら,原田監督におかれましては,この先月末(平成20年2月末),52歳という若さで,病のためお亡くなりになられました。原田監督のご冥福を心からお祈り申し上げまして,私のご挨拶とさせていただきます。
●酒井法子さん
裁判員制度の話といいますと,とても難しいような,かたいようなイメージが私にもありました。でもこの映画は,ひとりひとりの人間性というか,背景というものも描かれていて,温かみのある面白いストーリーになったと思います。
映画の中の私の役は,普通の主婦をしていた一人の女性が,裁判員に選ばれたことによって,いろんなことを感じたり,知ったりしていくのですが,自分自身も,映画の役をとおして,とても勉強になりました。
ぜひ,皆さんもこの映画を見て,自分自身と照らし合わせて,もし自分が裁判員に選ばれたら、と想像しながらご覧ください。
●星野真里さん
裁判や裁判官というのは,私とはかけ離れた世界の存在だと思っていました。
でも,今回の役(裁判官)を演じさせていただいて,考え込むし,迷うし,裁判官も同じ人間なんだと感じました。また,裁判の結論は一人で出すものではなく,裁判員と裁判官が一丸となって結論を出すんだということも分かりました。
今後,裁判員制度が始まると,様々な環境の中で育った人たちの,いろんな意見が出された中で,一つの結論が導かれることになり,より公平な結論が出るのではないかと思いました。
●田中圭さん
今回の映画の被告人役をとおして,もし,自分が裁判員に選ばれて,この映画の事件の裁判員になったとしたら,どういう思いを抱くのだろうか?と感じました。
被告人役を演じているので,被告人にも同情しているし,心情がすごく入ってしまっていることもあり,僕にきちんと決断ができるかと,考えさせられながらの撮影でした。
●相島一之さん
撮影をやってて,とても楽しかったです。
裁判官の人たちとお話しをしながら,裁判で一つの結論を導いていくという経験は,映画の役をとおしてですが,よかったなと思います。
僕は大学は法学部だったんですよ。でも法律の勉強なんか全然しなくて,演劇の勉強ばっかりしていたんです(笑)。
だから法律のことは全く分からないけど,裁判に参加することの責任や大事さみたいなものを,映画の役をとおして感じられたと思います。
是非,この映画を見ていただだきたいなと思います。
●小林涼子さん
私はまだ18歳なので,裁判を,あまり身近に感じたことは無かったのですが,この作品をとおして,義務とか責任とかについて考える機会を与えていただいて,すごくよかったなと思います。
演じた役(岩崎絵里花)同様,私も最初は,裁判員裁判は難しいものなのかなとか,人の人生が決まるものだし私にできるのかな,と不安がありました。
でも,映画の中にも出てきますが,裁判官に励ましてもらったり,法律とか分からないことは丁寧に教えてもらったりして,裁判員制度がどういうものなのかが,撮影をとおして理解でき,安心しました。もし,私が20歳になってすぐに裁判員に選ばれたとしても,皆さんが裁判員に選ばれたとしても,大丈夫だと思いました。
以上,最高裁判所長官と試写会出演者の方々のご挨拶でした。
試写会の後,お越しくださった方々にアンケートをお願いしましたところ,「とても分かりやすい映画でした」という好意的な御意見が多く寄せられました。
裁判員制度をより身近なものと感じていただくため,この映画「審理」を,様々な広報活動を通じて,より多くのみなさんに見ていただけるよう努めてまいります。
会場にお越しくださった方々,映画出演者の方々,制作関係者の方々,みなさん,本当にありがとうございました。