民主党の菅直人代表代行は4日、札幌市で開いた党の衆院選マニフェスト(政権公約)説明会で「米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結する」とした部分について、修正案を週内にも発表する意向を表明した。修正の仕方について「主要作物等の関税引き下げは基本的にやるべきでない。それが明確になる表現にしたい」と記者団に述べた。
菅氏は同日、北海道の農業者団体から「FTA交渉で農畜産物を除外すると最終マニフェストに明記する」ことを求める要望書を手渡された。その後の説明会で菅氏は「自給率向上を基本にした党の農業政策に矛盾するFTA交渉をするつもりは一切ない」と強調。「(18日の)公示後配布するマニフェストではそうした趣旨を盛り込みたい」と語った。
ただ、同党の農業政策の柱である戸別所得補償制度導入はFTA締結が目指す農業自由化と一体のものと考えられており、菅氏が指摘する農作物除外などは根幹にかかわり難航が避けられない。岡田克也幹事長も4日、愛知県豊橋市で「自給率を確保し、食の安全を確保した上でFTA交渉をしていく」と記者団に強調した。【田中成之】
毎日新聞 2009年8月4日 20時24分