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民主党の地球温暖化対策・成長戦略で経団連との距離感埋まらず

8月4日22時7分配信 ロイター

 [東京 4日 ロイター] 日本経団連は3、4日の両日、自民党と民主党からそれぞれ衆院選に向けた政権公約(マニフェスト)について説明を受けた。終了後、日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン<7751.T>会長)は記者団に、民主党の成長戦略の弱さを指摘したほか、国民負担が大きくなりかねない地球温暖化対策や製造業への派遣禁止について異論を唱え、政権交代を目指す民主党との距離感は簡単には埋まらないことを浮き彫りにした。
 御手洗会長は4日までの説明会を踏まえて記者団に、自民党の政権公約に関して、「中長期ビジョンとして税財政改革、社会保障、道州制など受け入れる流れになっているが、ただ長すぎる。もう少し圧縮することにより政党の意思が出る」と注文をつける一方で、10年度後半に2%成長を実現させるとの目標を盛り込んだことや社会保障の原資として景気好転を条件に消費税を含む税制抜本改革を明記したことを評価した。
 これに対して民主党の政権公約については厳しい発言が続いた。「原資として、経済成長、成長戦略が非常に弱かった。パイを増やして分配の理論を継続的に行うには、原資として経済成長が期待される」と指摘し、中長期的な成長戦略が不十分との認識をにじませた。
 さらに経済活動への影響が大きい地球温暖化対策について御手洗会長は「国民生活に非常に負担がかかる」ことなどをあげ、2020年までに温暖化ガスを90年比25%削減するとの目標に対して「賛成できない」と明言した。
 経団連は2005年比15%削減目標を掲げた自民党に対しても「実体を無視した安易な取り決めは産業競争力をなくすだけでなく、国民生活にも重大な影響を与える」としてエコカーや省エネ家電購入支援の継続強化を要望していた。しかし、より高いハードルを掲げる民主党への反対姿勢は強硬で、岡田克也幹事長が4日の説明会でも米国や中国・インドなどを参加させるには「日本がしっかりやっていくことを明らかにすることで温暖化対策のリーダーシップをとることができる」と説明、排出権取引や地球温暖化対策税など総動員して実現を目指す考えを繰り返したが、溝は埋まらなかった。
 また、民主党の製造業への派遣禁止についても御手洗会長は「就職の選択を狭める」とし、「改良しなければならないことは改良するにしても禁止することはない」と懸念を示している。
 御手洗会長は3日、「今回の総選挙は日本の将来を左右する大変重要な選挙と考える。経済危機からの脱出を確かなものにできるか。経済基盤を強固なものにできるか。みな、今回の選挙結果に大きく影響受ける」と述べていたが、2日間の説明会で、あらためて産業界と民主党との距離感が浮き彫りになった。

最終更新:8月4日22時7分

ロイター

 

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