音楽ヒットチャートのオリコンが月刊誌「サイゾー」に掲載されたフリーライター、烏賀陽(うがや)弘道さん(46)のコメントで名誉を傷付けられたとして、烏賀陽さんに5000万円の損害賠償などを求めた訴訟は3日、東京高裁(奥田隆文裁判長)で和解が成立した。控訴審で利害関係人として訴訟参加したサイゾーは編集部がまとめたコメントが不正確だったことを認め、烏賀陽さんとオリコンに謝罪し、オリコンは請求を放棄した。
和解条項によると、▽サイゾーは烏賀陽さんに対し、了解を得ないまま掲載したことを謝罪し、損害賠償金として500万円を支払う▽サイゾーはオリコンに対し、音楽ヒットチャートの信頼性について、読者に誤解を与えたことを謝罪する▽オリコンは損害賠償請求を放棄し、烏賀陽さんはオリコンに対する反訴請求を放棄する。
「サイゾー」の06年4月号は、大手芸能プロダクションに関する記事でオリコンのチャートの集計方法を疑問視するコメントを掲載。1審・東京地裁は08年4月、コメント内容には本人の同意があったとし名誉棄損を認め烏賀陽さんに100万円の支払いを命じた。
烏賀陽さんは「実質的な勝訴だ。(個人に高額な賠償を求めた)オリコンは謝罪してほしい」と訴えた。【臺宏士】
毎日新聞 2009年8月4日 東京朝刊