耳かき嬢、自宅で刺される！７８歳祖母死亡…４１歳男「交際断られ殺そうと」

江尻さんが勤めていた店はメイドカフェなどが立ち並ぶ秋葉原の一角にある

　３日午前９時ごろ、東京都港区西新橋の民家で「刃物を持って男女がけんかしている」と１１０番通報があり、警視庁愛宕署員が駆けつけると、室内で住人の鈴木芳江さん（７８）と同居の孫・江尻美保さん（２１）が血を流して倒れていた。鈴木さんは間もなく死亡、江尻さんも意識不明の重体。同署は殺人未遂の疑いで、現場にいた会社員・林貢二容疑者（４１）を逮捕した。林容疑者は江尻さんが勤めていた耳かき店の常連客で「交際を断られて腹が立ち、殺そうと思った」などと供述しているという。

　現場はＪＲ新橋駅から西に約５００メートル離れた飲食店や会社事務所などがある一角の民家。愛宕署によると、林容疑者は、江尻さんの自宅に押し掛け、１階で応対した鈴木さんと口論。「話にならない」と言って刺し、２階に上がって江尻さんを刺した。２人は首など数か所を刺されており、鈴木さんが間もなく死亡、江尻さんも意識不明の重体。

　同署員が駆けつけたときには、血が付いた複数の刃物が床に落ちていた。室内にこもっていた林容疑者が「オレが刺した」と認めたため、現行犯逮捕した。２階には林容疑者が持ち込んだとみられるビジネスバッグの中に血が付いた鉄製ハンマーが入っていた。

　同署や江尻さんと高校の同級生だった男性（２０）の話によると、江尻さんは昨年初めごろ、東京・秋葉原の耳かき店に勤め始めた。若い女性スタッフが和服姿でひざ枕で耳かきサービスをする同店の中で、江尻さんは、指名件数ＮＯ１の人気者だった。

　林容疑者は同２月ごろ、客として通うようになった。今年４月ごろ、江尻さんは林容疑者に交際を求められたが断り、店は林容疑者を出入り禁止にしていた。あきらめきれない林容疑者はその後、ストーカー行為を開始。仕事帰りを待ち伏せたり、自宅近くで付きまとう迷惑行為を始めたという。

　７月１９日午後１１時ごろ、江尻さんは「常連客に付きまとわれている」と、１１０番。その際、愛宕署員に対し「男は昨年２月に店に出入りし始め、今年４月ごろ交際を求められた。断ったら付きまとわれるようになった」と説明していた。

　愛宕署員が駆けつけたときには林容疑者の姿はなく、その後も容疑者から事情は聞いていなかった。

　それから２週間後の惨劇。現場近くにいた女性（４６）は「被害者の家族が飛び出してきて『男が家の中に入って包丁を振り回している。おばあちゃんが殺される』などと叫んでいた」とおびえた様子で話した。

（2009年8月4日06時02分スポーツ報知）

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