現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 裁判
  5. 記事

オリコンが請求放棄、和解 コメント巡る名誉棄損訴訟

2009年8月3日19時17分

 音楽チャートの統計手法をめぐる雑誌記事のコメントで名誉を傷つけられたとして、音楽市場調査会社「オリコン」(東京都港区)が、コメントをしたフリージャーナリストの烏賀陽(うがや)弘道さん(46)に賠償を求めた訴訟は3日、オリコン側が請求を放棄して東京高裁(奥田隆文裁判長)で和解が成立した。一審・東京地裁はオリコン側の5千万円の請求を一部認め、100万円を支払うよう烏賀陽さんに命じたが、烏賀陽さんの実質的な逆転勝訴で裁判が終了した。

 この訴訟は、掲載した雑誌社ではなく、記事にコメントをした人を相手取り、高額の賠償を求めた点で注目されていた。訴訟の対象となっていたのは、月刊誌「サイゾー」の06年4月号に掲載された「ジャニーズは超VIP待遇!?事務所とオリコンの蜜月関係」の記事で、烏賀陽さんが「『オリコンの数字はある程度操作が可能だ』という話を聞いたことがある」と話したとされるコメントなど。

 サイゾーも控訴審から利害関係人として訴訟に参加した。烏賀陽さんと代理人によると、和解では、サイゾーがコメントは不正確で了解を得ないまま掲載したことを認めたうえで、烏賀陽さんに賠償として500万円を支払い、オリコンに対しても「読者に誤解を与えたこと」を謝罪することが決まったという。

 和解を受けて烏賀陽さんは「裁判は、言論封じが目的の嫌がらせだった。オリコンが自ら請求を放棄したことは、いかに不当な訴えだったかを示している」と話した。

PR情報
検索フォーム
キーワード:

関連リンク


朝日新聞購読のご案内