イスラマバード(CNN) アフガニスタンのイスラム強硬派勢力タリバーンが最近、戦闘員の行動規範を記載した新たな冊子を配布していたことが明らかになった。CNNがパキスタン北西部で入手した。自爆テロなどによる民間人の犠牲を最小限に抑えることなどを定めている。
冊子には、「自爆攻撃の標的は価値の高い、重要人物とする」「罪のない人々を殺害し、その財産を破壊することは最小限にとどめる」と書かれている。また、すべての戦闘員に「民間人の死傷、財産破壊を回避するよう最善を尽くし」「一般イスラム教徒の心に寄り添うために行動を正し、きちんとした態度を示す必要がある」と呼びかけている。
規範は広い分野にわたり、このほかにも身代金目的の誘拐、寄付の強要、導師からの指示がない人質の殺害や民家捜索などを禁止。発効は5月9日と明記されていた。
これに対してアフガン駐留米軍の報道官は、「民間人の死者のうち6割以上は、タリバーンによる自爆テロや路上爆弾テロの犠牲者だ」と指摘。「冊子の内容はすべて、タリバーンの普段の行動と矛盾する。かれらは規範に従わないということだ」と述べた。
またアフガン国防省の報道官は、「規範はプロパガンダにすぎず、タリバーンがこれを実践する見込みはまったくない」と批判した。