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民主マニフェストに見解―日医

7月29日22時55分配信 医療介護CBニュース

 日本医師会(唐澤祥人会長)は7月29日、定例記者会見を開いた。この中で中川俊男常任理事が、27日に発表された民主党のマニフェスト「政権政策マニフェスト2009」に対する日医の見解を示した。社会保障費の年2200億円削減の撤回などについては「かねてから日本医師会が主張してきたとおり」と評価する一方、財源については「さらに具体化すべき」などと訴えた。

 後期高齢者医療制度について、民主党は廃止を主張。国民健康保険の負担増は、「国が支援する」としている。これに対し中川常任理事は、「単に現行の制度を廃止するだけでは拠出金の問題が再燃する。また、国保の負担増に対する国の支援は財源が明確でない」などとする見方を示した。
 民主党の「被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、将来、地域保険として一元的運用を図る」との主張には、「保険者間の不公平の是正は、以前から日本医師会が主張してきたこと」と一定の評価をした上で、「まず被用者保険者間で保険料率を公平化し、そこで確保された財源をもって国保・被用者保険間の財政調整を行う」とする従来の日医の主張をあらためて示した。

 医療制度に関しては、民主党が「社会保障費の年2200億円削減方針を撤回する」としていることには「かねてから日本医師会が主張してきたとおり」と評価。しかし、「医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める医療機関の診療報酬(入院)を増額する」「国立大学付属病院などを再建するため、病院運営交付金を従来水準へ回復する」などとしていることに対しては、「入院とは、病院の入院、特に国公立病院や公的病院を指しているようだ」と指摘。その上で、「崩壊したのは病院の医療だけではない。地域医療提供体制全体のほころびが、今日の医療崩壊をまねき、国民を不安に陥れた。国民、地域住民に安心、安全の医療を提供するために、地域医療の全体的な底上げが急務である」と主張した。
 また、OECD平均の人口1000人当たり医師数を目指し医師養成数を1.5倍にするとの民主党の主張については、「日本の医療提供体制の特性や社会的背景等を検討しているようには見受けられない」とし、「医師数は1.1-1.2倍にすることが妥当」と主張した。

 年金制度については、民主党が、消費税を財源とする月額7万円以上の「最低保障年金」の創設を訴えているのに対し、中川常任理事は現状の年金財源を例示した上で「月額7万円を全額国庫が負担することになれば、財源不足が拡大する」と指摘。さらに民主党案では高齢者医療、介護に関する国庫負担分は消費税以外の税収に依存することになり、「税収等の増減によってさらなる抑制が懸念される。医療介護の財源をいかに確保するのか、明らかにすべき」とした。


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最終更新:7月29日22時55分

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