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【09総選挙 全国ニュース】

<点検>民主マニフェスト (2)年金制度移行 給付は徐々に 徴収は急変

2009年7月29日

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 民主党の年金制度は、すべての人が月7万円以上の年金をもらえるのがうたい文句だ。

 所得比例年金を基本に、中低所得者には消費税を財源として月額7万円の最低保障年金を加算。保険料の納付期間が25年に満たず、現行制度なら「無年金」になってしまう人も、払った分に応じた年金がもらえる。

 ただ、新制度への移行は20年程度かけて徐々に進める。このため、既に無年金が確定している高齢者が、新制度で7万円をもらえるわけではない。当分は現行制度での給付が大半を占めるため、無年金や低年金の高齢者は残ることになる。

 同党は、年金とは別に、給付付き税額控除制度を創設し、無年金高齢者らを支援することにしている。

 制度移行で徐々に変化する給付とは違い、保険料は新制度になった途端に急変する。

 所得比例年金の保険料は所得の15%で、厚生年金とほぼ同率。半分を会社が負担するのも同じだ。厚生年金の保険料は将来的に18%余まで上がる予定だったため、厚生年金に入るサラリーマンは負担が減る。

 一方、自営業者らが加入する現在の国民年金の保険料は定額で月1万4660円。全額が自己負担だ。これが新制度になると、単純計算では月収50万円の自営業者の保険料は7万5000円に。給付も増えるが、高額所得の自営業者は保険料の負担は増す。

 最低保障年金による加算は、2007年参院選で、所得が600万円から減額し、1200万円以降はゼロにする案を示していたが、今回は明示していない。この線引き次第で、必要な財源も変わるだけに、大きな課題が残ったままだ。

 

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