2009年7月29日20時26分
【ロンドン=土佐茂生】魔法使いの少年が活躍する人気映画シリーズ「ハリー・ポッター」で主人公を演じる英国人俳優ダニエル・ラドクリフさん(20)がこのほど、雑誌のインタビューで政界をなで切りにする発言をし、周囲を驚かせている。ブラウン首相の労働党や2大政党の保守党を批判。来年6月までに実施される下院選挙では中道左派の自由民主党に投票することを明らかにした。
ラドクリフさんは、自身がリベラルな左派系の考えを持つことを明かした。若者が投票に行かなくなった理由について「政治家がみんな中道に寄って政策が似てしまい、誰に入れても同じになってしまった」とするどく指摘した。
労働党のブラウン首相については「長く首相になりたいと待ち、なったとたんにその器でなかったと気付くのは悲劇だろう」とバッサリ。ブレア前首相から続く「ニュー・レーバー(新しい労働党)」路線についても「僕らの世代は悪い面しか見ていない」と批判的だった。
次の総選挙では保守党の勝利が確実視されるが、「保守党はいったん政権につくと実際よりも右派だと露呈する。そのとき正しい左派が再生するだろう」と評論家ばりの予測を披露。支持を表明した自民党については「支持者全員が投票すれば、一夜で政治は変わり、適切な3大政党制が生まれるだろう」と話した。
ラドクリフさんは次の総選挙が有権者として初めて迎える国政選挙になる。