2009年7月29日21時21分
【ニューヨーク=丸石伸一】ソフトウエア最大手の米マイクロソフト(MS)は29日、インターネット検索大手の米ヤフーと、ネット検索分野で提携すると発表した。同分野で大きく水をあけられている最大手の米グーグルとの差を詰め、巻き返しを図る狙いだ。
米調査会社コムスコアの調べでは、両社の米国でのネット検索のシェア(今年6月)を単純合算すると約28%になり、65%だったグーグルの半分近くまで高めることができる。とくにMSは同シェアが8%に過ぎなかったため、ヤフーとの「連合」を組むことでネット検索市場での地位を大幅に高めることができる。
両社の発表によると、MSとヤフーのネット検索技術を統合し、ヤフーは自社サイトに、MSが先月にサービスを立ち上げたばかりのネット検索の技術「ビング」を使う。提携は10年間の契約。
MSは08年1月末に米ヤフー全体の買収を提案したが、ヤフーが提案を拒んだこともあって合意に至らず、断念した。その後、ヤフーの検索事業の買収や提携も持ちかけたが、ヤフーはグーグルとのネット広告での提携を選んでMSの提案をはねつけた。
ところが、ヤフーは昨年11月、グーグルとの提携が独占禁止法に抵触する恐れがあることなどから破談となり、MSへの身売りなどに批判的だった最高経営責任者(CEO)が退任したこともあって、再び提携協議に入っていた。