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景気判断、5年ぶり上方修正 4〜6月期、雇用は厳しく

2009年7月29日11時46分

 財務省は29日の全国財務局長会議で、4〜6月の各地の経済情勢報告をまとめた。全11地域のうち沖縄を除く10地域で、前回1〜3月に比べて景気判断が改善。全体の判断も「厳しい状況にあるものの、一部に持ち直しや下げ止まりの動きがみられる」と5年3カ月ぶりに上方修正した。ただ、雇用情勢は全地域で厳しいままで、個人消費も力強さはない。

 全国の景気判断は、記録が確認できる79年以降で最も厳しい表現だった前回の「悪化し、厳しさを増している」から改善した。都道府県別でみても、観光が中心の沖縄が「厳しさが続いている」と判断を据え置いた以外は46都道府県で上方修正し、都道府県別の判断を公表し始めた04年1月以降で最多だった。

 景気の持ち直しが全国に広がっているという判断で、政府の「景気底打ち」宣言に沿った方向だ。しかし財務省は「あまりにも悪い状況から少し傾向が変わったということで、いい水準に達したという意味ではない」(担当者)としている。

 項目別では「生産」が、全体の傾向と同様に沖縄(生産ではなく観光で判断)を除く10地域で改善。東海などで自動車関連の国内販売や輸出の減少幅が縮小し、在庫調整が進んだ。

 一方で「雇用」では、11地域すべてが「一段と厳しさが増している」(近畿)、「大幅に悪化している」(東北、北陸)などの厳しい判断を据え置いた。求人数を求職者数で割った有効求人倍率の低下が続いていることなどが根拠だ。

 「個人消費」は、政府の景気対策の効果などで一部の家電や自動車などは好調だが、スーパーなど大型小売店の売れ行きがさえない。「節約志向が続き衣料品や身の回り品の動きが弱い」(北海道)、「百貨店では宝飾品などの高額品が不振」(中国)という。消費の判断は5地域が上方修正、6地域は「弱い動き」などに据え置きと、判断が分かれた。(生田大介)

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