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ぼくは小林亭竜之介 おっきくなったら落語家になる!

2009年7月28日

写真高座に上がった小林亭竜之介こと小林竜也君(6)=横浜市中区の横浜にぎわい座

 6歳の落語家が、初の高座に上がった。横浜市泉区の小林亭竜之介(たつのすけ)こと小林竜也君(6)。客席を埋めた約300人から大喝采を浴び、「おっきくなったら落語家になる」と、顔をつるりとなでて宣言した。

 「客は短刀を見せろと言って、抜きにかかるがなかなか抜けない。おい、道具屋! ちゃんと抜けるやつはないのか? へぇ、おひなさまの首が抜けます」

 横浜市中区野毛町にある「横浜にぎわい座」の芸能ホール。竜也君は25日、2部構成の座長公演の幕あいに登場し、テンポのいい噺(はなし)と身ぶり手ぶりで会場を笑いに包む。演題は「道具屋」。約5分間のステージを終えるとおひねりが飛んだ。

 保育所に通う竜也君が落語に関心を示したのは、4歳の時。祖父の細江順一さん(68)の車の中で、落語「寿限無」を聴いたのがきっかけだ。お風呂で100を数える代わりに「寿限無、寿限無」。電車のおもちゃで遊びながら「寿限無、寿限無」。あっという間に覚えてしまった。

 子ども向けの落語番組を見て噺の意味を理解し、落語家のDVDを見て扇子の使い方も覚えた。「まねすることが面白い」と現在は5、6本の演目をマスター。母親の由紀さん(39)が「小林亭竜之介」と命名すると、近所で評判に。老人ホームで披露したこともある。

 「横浜にぎわい座」での高座は知人の紹介で実現した。浴衣を新調して臨んだ竜也君は「緊張した。でも最初だけ」。

 若手の落語家柳家喬太郎さんを「きょーちゃん」と呼び、あこがれている。まだ生の落語を見たことがないという。由紀さんは「就学前だと入れない会場が多い。小学校に行ったら、ぜひ連れていきたい」と話す。(古田真梨子)

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