学校で栽培したジャガイモを食べた奈良市の小学生17人が食中毒で病院に搬送された。市教委は現場の認識不足が原因としたが、取材では県教委からの通知が役に立っていなかったことも分かった。
07年に広陵町で同様の事案があり、県から市教委に通知が届いていた。しかし、担当者は「段ボール箱にしまって分からなかった」とする一方、「各学校に送った記録がある」と胸を張った。校長は通知を認識していなかった。
誰も覚えていないような通知に意味はあるのか。形ばかりで中身が伴っていない。全国で同様の事案が何度も報道されている。現場だけでなく、市教委にも過去の失敗事例に学ぶ意識が足りなかったのでは。(泉谷)
毎日新聞 2009年7月28日 地方版