バフトップカットを施したダイヤモンド

　宝飾卸大手の東京真珠（東京都中央区）は、ダイヤモンドの輝きを出すカット技術の新手法を確立した。今秋にも新手法を施したダイヤモンドの供給を開始する予定。

　新カット手法を用いた製品は「ＤＥＷＹ　ＤＩＡＭＯＮＤ（デューイ　ダイヤモンド）」と名付けた。従来はカットを施した各面がすべて平坦（へいたん）だったのに対し、新手法は一部の面をレンズのような球状面に加工することができる。「バフトップカット」と呼ばれる同加工によって、これまでとは異なる輝きを出すことができるという。とくに大きな特徴は、従来型は一般的にまばゆい輝きをしていたのに対し、レンズ効果によって柔らかな輝きになる点。

　バフトップカットは、ダイヤモンドより硬度の低いルビー、サファイアなどでは用いられてきたが、最も硬いダイヤモンドでは適用が難しかった。

　加工はタイの同社バンコク研磨工場で行う。２００２年に独自の手法を開発し、その後も改良を重ねて、安定供給体制を確立した。東京真珠では「このダイヤモンドは柔らかな表面と露のようなみずみずしい輝きを持つ。ダイヤモンドデザインに新たな可能性を広げた」としている。価格はサイズ、デザインなどにより異なるが、２カラット（約０．４グラム）の「クロスペンダントネックレス」の参考価格が８０万円台後半から。