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高麗茶道日本に深い影響<下>
2006-04-19
高麗に「わび」精神
茶室も高麗茶道の影響

 日本茶道の精神性「わび、さび」も、もともと高麗茶人のものだった。高麗時代の茶人として名高い李奎報は日記に「茅亭に遊観して雲山の情緒を留める」ことを理想生活と記し、高麗末の忠臣として知られる鄭夢周は、「独り幽斎に臥し、石鼎に乗る釜の湯の沸く音を聴く…そんな(孤独な)喫茶が癖になった」という主旨の漢詩を残している。

 この意識こそ日本茶道の神髄でもある草庵茶室の小宇宙に通じるものである。

 このことから、日本茶道の「舞台」でもある茶室こそ、最も高麗茶道の影響を受けていることが分かる。

 日帝時代、数少ない日本人の朝鮮理解者だった浅川伯教氏の『朝鮮の茶』という論文には次のように書かれている。

 「日本の茶室の構造がどこから暗示を得て居るかというと、朝鮮南方、殊に全羅南道辺りの民家や僧庵に最も似て居ると思う。オンドル一間に、水屋入り口はただの小窓、丸柱、塗り込めの土壁、下地窓、天井は網代かすの子、水屋と通ひ口は人も通れぬ小窓、草の屋根……石の蹲踞があり、飛石が無造作に置かれ、木戸の枝戸口は竹の皮で蝶つがいをつくり、竹の輪を軽くおろして止めて居る。…ここから茶室の構想が生まれ、代々の名人がこれに磨きをかけたものと思われる」

韓日文化の近縁性

 蛇足ながら、茶道具も「朝鮮」オンパレードである。茶碗は、朝鮮の庶民の生活用具であった井戸茶碗、熊川茶碗、刷毛目茶碗などが珍重され、茶釜も朝鮮式の「古芦屋」「平蜘蛛」釜を「朝鮮風炉」に置いた。更に茶筅などの小道具は「朝鮮台子」に置く。

 千利休が確立した日本茶道とは、実は高麗茶道の集大成なのだと言えるかも知れない。

 しかし皮肉にも、禅宗と強く結び付いていた高麗茶道は朝鮮朝の排仏思想により消滅し、茶道は日本で洗練され花開いた。

 同様に、茶道に限らず中世に起こった「日本的文化」を大内氏との関連でとらえ直してみると、朝鮮と日本の意外な文化的近縁性が見つかるかもしれない。

(吉成繁幸)

(2006.4.19 民団新聞)
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