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自殺、過去最悪ペース 今年上半期は1万7076人

2009年7月28日4時1分

図:  拡大  

 今年上半期(1〜6月)の自殺者数は1万7076人と、過去最悪だった03年に迫るペースであることが27日、警察庁のまとめでわかった。男性の自殺者の増加が目立っており、自殺防止に取り組む人からは、不況の影響を指摘して早急な対策を求める声が上がっている。

 前年同期と比べて4.7%増。このままのペースで推移すると通年で3万4千人を超え、03年の3万4427人に迫る。男性は前年同期比で6.2%増の1万2222人、女性は同1.2%増の4854人だった。

 都道府県別でみると、多いのは東京(1569人)、大阪(1057人)、埼玉(971人)の順。29都府県で前年同期を上回った。増加率が高いのは沖縄(51.3%)、山口(30.2%)、高知(21.6%)の順だった。

 昨年の自殺者についての警察庁の分析では、自殺の理由は健康問題が最も多く、次いで借金や事業不振、生活苦などだった。今年上半期の自殺者が増えている背景には、昨秋以降の景気悪化があると見られる。

 警察庁は78年から自殺者の統計をとっている。97年までは2万人台前半から半ばで推移してきたが、98年に年間3万人を超え、08年まで3万人を超えている。

■不況の影響と推測

 自殺防止対策の普及に取り組むNPO法人「ライフリンク」の清水康之代表の話 企業の年度末決算期などに自殺者が増えており、不況の影響が推測できる。雇用や経済支援などの緊急対策が自殺防止のためにも必要だ。

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