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専守防衛に空白 クラスター爆弾全面禁止合意 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:捕鯨
代替火砲の導入となると、さらに非現実的だ。MLRSの1個発射機当たりの瞬間制圧面積は、155ミリ自走砲を主力とする1個特科(砲兵)連隊(1100人)の火力に匹敵。従って、現有5個MLRS大隊(90発射機/1500人)を廃止するのなら、90個特科連隊(9万9000人)の増強が必要となる。1分間に発射可能な弾薬重量でも、155ミリ自走砲と比べると3倍近くの開きがある。人員で計算し直すと、1個MLRS大隊(300人)の瞬間交戦能力は3個特科連隊(3300人)に相当。現有5個MLRS大隊を解隊すれば、その穴を埋めるため15個特科連隊(1万6500人)を新設しなければならない。
ところで、クラスター反対国の共通項は非保有か、保有していても旧式である点。「人道」を隠れみのに、急進的規制を成功させ自国の安全を高める軍事上の計算が透けてみえる。終始、協議をリードしてきたNGO(非政府組織)が、非保有国を会議の場に引っ張り込み、反対を主張させてきた成果でもある。この点、非捕鯨国を参加させ、感情的意見に支配されてきたIWC(国際捕鯨委員会)での協議をほうふつさせる。
それでも、日本政府の拙攻は目に余る。対人地雷禁止条約調印国の英国、豪州、ニュージーランドなどは、国益が損なわれた場合の地雷使用を「留保条件」としたが、自衛隊は約20億円もかけて従来型対人地雷約100万個を廃棄させられた。クラスターでは、日本も「主に侵攻軍に対する使用」など、条件を突き付けるべきであった。
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