新郎の憂鬱 実話です。
結婚式の朝はいつもより張り詰めた空気が漂っている。前日から実家に戻り準備を終えて、後は結婚式を迎えるのみ。挙式から披露宴まで時間があくのと、ばたばたと忙しくなるのを見越した母が、少し気合いを入れた朝食を用意してくれた。全員がテーブルに着席し、いざ食事となるはずが…

あれ





やっちゃいました。


どうやら炊飯器のスイッチを入れた忘れていたみたいです


『あらごめんなんかランプが着いていたから安心したんだけど、保温のランプだったみたい…』

一堂ア然とするも

『じゃあパンがあるから、こっちにしましょ』


食卓に並んでいるのは焼き魚や煮物など、純和食なんですけど・・・
これに食パンとピーナッツバターはかなり辛いです。
でも背に腹は代えられませんから食べましたよしっかりと(笑)


で、これで終わるはずがありません。


食事が終わり、結婚式場に向かう支度をしていると


『あっ』

という叫び声が、

飛んでいくと…



やっちまいました


彼女はコンタクトレンズ愛用者です。
いつも自宅では保存ケースにふたをせずにいるのですが、
実家に来るのに久々にきっちりふたをしたところ
見事にコンタクトレンズ(ソフトレンズ)を挟んでしまい
気がつけばコンタクトレンズは真っ二つ!!
裸眼では0.1も視力がないので片方がまったく見えない状態で結婚式に望みました。
さすがに白無垢やウエディングドレスでメガネ姿はちょっとね


親が親なら、嫁も嫁です(笑)


こんな感じで一日の幕開けとなりした。


まだまだハプニングは続きます。


朝からバタバタしながらも無事神社に到着しました。
予定の8時より少し早く着くが、まだ社務所が開いていません支度の時間はぎりぎりで計算してるのに…

と入口あたりで騒いでいるとようやく職員さんがやってきました。

予定よりも大幅に遅れて、新婦の支度が出来たのは挙式開始時間の10分後。
そのまま結婚式に突入とおもいきや、
我々の支度が遅いので一般客のお祓いになっちゃいました(汗)

ようやく挙式の準備ができていざ入場しようとすると、今度は新婦側の親族が列んでいません

『はい、新婦側、新婦側それぞれ一列でお列びねがいます。』と何度も大声を張り上げてようやく揃いました。

ここまですべて新郎が仕切っております。

はい、これで神殿に入りますが、新郎側親族が変に席を譲り合って、なかなか座席が定まりません。
おーい、どこでもいいから早く座っとくれ !

挙式中は横で新婦がガチガチに緊張しています。
思わず笑ってしまいました。

とバタバタしながらも無事に挙式を終えることが出来ました。

そして、本殿前の階段で集合写真です。
控室にある撮影機材を取りに走るのですが袴の裾が絡んで走れません(泣)
機材を持って戻ると『遅いなぁ~』とブーイングの嵐だが
それにもめげずにいざ撮影。

あっ、せっかく作った配列表を忘れました(泣)
まぁいいや、適当に並ばせます。
で撮影しますがカメラのレンズキャンプが付いたまま(笑)
アシスタントの菜奈ちゃんに指摘されました。
恥ずかしいったらありゃしない。

みんなを揃えて撮影を無事に終えました。
今度はみんなを送迎バスまで案内しますが・・・
『バスはどこ』なんて聞かないでよ!駐車場に決まってるでしょ。
あなたがたがクルマを停めた場所ですよ


と心の中で叫びつつ控室に戻ると…


新婦が絶叫

『私の鞄がな~い』

挙式前まではあったのに、いつの間にか失くなってる
もしかしたら新婦ママが気を利かせて持ち出したのか?

またまたダッシュで新郎は袴姿で駐車場のバスまで走ります。
ここは参道が長いのでその距離は約300メートル以上。

バスにたどり着き皆にカバンを持っていないか聞きますが
だれも鞄に心当たりがないとのこと。


仕方なく控室に戻ると…


しっかり鞄があるではないですか
続き間の机の上に。

全くちゃんと探してから騒いで下さいな新婦さん(笑)
私も支度しなくちゃならないのに・・・


これでようやく私も着替えが出来ます。
新婦に振り回されてバタバタしてたのに、新婦の口から出た言葉は

『なにやってんの、早く着替えてよ』


きょえ~厳しいぃぃぃ


慌てて着替えて、控室を出ようとしたら…


あれ、荷物が多すぎて運べない

白無垢一式、かつら、ウエディングドレス一式などなど、我々とメイクさんだけでは運べません。

仕方ないので誰かを呼ぶことに。

携帯電話で両親やいとこに電話をかけるも全員留守電で繫がりません。
しまった!結婚式の際に電源を切らせたままだった(泣)

ようやく連絡が付き、荷物を運んでもらい、気がつけば予定時刻を一時間オーバー。


自分達の段取りは完璧だったが、荷物の移動方法までは気が付かなかった。はぁ~

神社に挨拶を済ませてバスに乗ると…



私の席がない


普通だったら最前列が新郎新婦の席なのに、伯父伯母がどっかり占領してました。
おまけに定員44人のバスに35人しか乗らないのに皆さんシートを贅沢に使い
私が座る席がない!

仕方ないから補助席を出して座りました。


我々が一番前に座って、挨拶やら今後の段取りを話そうと思ったのに・・・


普通だったら『後からくる新郎新婦の為に席を空けておこう』と考えるはずが
そんなのお構いなしです。
みんな勝手に盛り上がっています。


そんなこんなでバタバタしてたので、忘れましたよ。両親との記念写真を撮るの
せっかくベストロケーションもチェックしてたのに…


バスに乗ったまではよかったものの、はたして全員が乗っているのか
自分も含めて総勢35人のはずが一人たりない 。
これじゃバスを出発出来ないよ!

慌てて神社までダッシュで戻るとのんびり伯父さんが歩いてきました。
ほっ、これで勢揃いです。

というわけで新郎がバス添乗員も兼務することになりました。


バスは出発しました。
が、ルートが予定とは違います。
当初予定していたICは近くにアウトレットモールが出来たので
大渋滞が予想されるとのことでちょっと遠回り。

途中のSAで急遽トイレ休憩をすることに。
私の席は後ろの方の補助席で、SAに到着するなり前方のシートにいる親族がぞろぞろ降り始めました。


しまった!
誰が降りたか確認し忘れた。
『休憩時間は10分間しかないので早めに戻って来て下さい。』と言わなきゃいけないのに…


ふとみわりを見渡すとバスだらけ。
トイレに行ったじいちゃんばあちゃんは無事バスまで戻れるのだろうかかなり心配である。
自分がバスの前に立っていれば目印になるが、バスの前までは距離があります。


というわけで、ここでもバスとトイレの往復をダッシュしながら、
列席者が迷子にならない様に監視をします。まるでひつじ飼いの犬です。ワン ワン♪
みんなが揃いかけた時に従姉が『ちょっとトイレに…』

オイオイ 今頃かよ !


まぁ生理現象ですから仕方ないですもんね。グッと怒りを堪えます。

『では最後のトイレ休憩も終えましたので、バスは一路銀座に向かいます。途中、大泉JCTより外環道を通り、首都高で銀座となります…』
と気を使ってバスガイドをしてみたもののみんな爆睡。見事なまでも空回りです。

そんなこんなでバスは銀座に到着。
一人銀座四丁目交差点の手前で降りてアルペッジオに向けてダッシュ。
降りる直前に従兄弟に荷物を店まで運ぶ様に、父親にお願いしましたがこれが失敗でした。

新郎は一足先に店に入り、店のスタッフに遅れたお詫びをして音響のセッティングでバタバタ。

しばらくして新婦の叫び声が!!

どうやらウエディングドレスのアクセサリーが入った箱がないらしい。
バスから下ろし忘れたのか?!

もしかしたらバスから下ろし忘れたのか?
慌ててバスのドライバーに連絡をして戻ってきてもらおうとするも
すでに皇居の駐車場に来ているとのこと。
お詫びをして大至急銀座まで戻ってもらう様にお願いしてレストランに戻ると
そこへ妹と従弟がアクセサリーの入った荷物を持って登場。

新郎の父親が荷物を降ろして店まで運ぶ指示をしたものの、
店の場所を教えずにさっさと自分達だけ来てしまい
残されたポーター隊は銀座で迷子になっていたそうな。
招待状を発送した時点ではまだ店が決まっていなかったので
プリントしていなかった新郎にも落ち度はありますが・・・
たのむぜ父ちゃん。



まぁとにかく無事に全員がたどり着き一段落です。
しかし、受け付けの準備が出来ていません。
受付スペースが狭いので、事前に芳名カードを渡して
各テーブルで記載していただいたものを受付で回収するシステムに変更しました。

そして問題の親族紹介です。

司会(新郎)
それではまず新郎家より父の●●より、イオス家の親族を紹介させて頂きます。
ではイオス●●より紹介がありましたら、その場で起立をして一礼願います。
なお身内の親族ですので敬称は省略させていただきます。
では新郎父●●よりお願いいたします。


新郎父
新郎の父●●です。今日はよろしくお願いいたします。では親族の紹介をさせていただきます。
秋田からきた△△さんです


…おいおい、△△さんは身内だから「さん」はつけちゃ駄目なの!
秋田から来たのはいいけど、新郎との関係は?


そこで司会役の新郎が慌ててフォローに入ります。

司会
△△は新郎父の兄ですから、新郎の伯父となります。

最初に例を見せれば以降はちゃんと紹介してくれるだろうと思ったのですが
以降も東大和の○○さん、八王子の▲▲ちゃんと新郎との間柄を一切無視
予定より大幅に時間が遅れているのでみんなイライラしているのに
とにかくマイペース&話しが長い。
まあ予想どうりの展開ではありますが・・・泣

こんな感じでだらだらとみんああきれています。
イオス家の親族25名に対して新婦家の親族7名ですが
それにしても時間取りすぎです。


そして

司会
大変長い親族紹介、大変失礼しました。
では新婦家お母様○○様より、親族紹介をお願いいたします。

ここで「○○」を間違えてしまいました。
新婦の母は再婚した為に姓が変わっているのですが
旧姓のままで紹介してしまった。
本日一番の大チョンボです。

はぁ~


で新婦家の挨拶の締め括りに
新郎側の長ったらしい親族紹介に対抗するがごとく

「新婦側は小数精鋭でやってきました。」の一言に会場は爆笑。


このあと、例の集合写真を撮影して、披露宴に突入です。

ここまで来ればスムースです。

だが、ここに大きなトラップがありました。

今回の会場はフレンチレストラン
しかもめったに結婚式なんてしないのでアレが無いんです。アレが。


そうこうしてるうちにみんながワインを注ぎにきます。


ぎゃ~~飲み干すしかない 。


だって飲み物を捨てるバケツがないんだもん(T-T)

ええ、飲みますとも。
自分でセレクトしたワインを捨てるなんてできません。

今回の披露宴は日本酒も焼酎もビールもありません。だってフレンチですもの(笑)
と新郎の傲慢が祟り、注がれるのはワインばかりです。


こんなペースで後半は大宴会。各卓で勝手に盛り上がってます。
でもそこここから「料理美味いね♪」の声が漏れてきたりしてちょっと嬉しい新郎です。

楽しい宴もお開きの時間を迎えて、そろそろ皆様にご挨拶を…

と思ったら、新婦の母がおりません。
新婦の義父に介抱されてトイレに引きこもってしまいました。
義母さん大丈夫ですか???

ようやく謝辞となりましたがお母さんは椅子につかまり、目は虚ろ。


最後の新郎の挨拶では賑やかな雰囲気ながら
何だか感極まってしまい思わず涙してしまいました。
普通だったら感動のシーンなんですが・・・





一同大爆笑!!!

新郎の涙はネタだと思ったみたいです。
あれは感動の涙だったんですよ。

謝辞も終えて皆様を全員送り出してからようやく新郎の任務も終了し
バタバタの披露宴も無事にお開きとなりました。


めでたしめでたし。


その後、義母さんの具合が気になり彼女がメールをしたところ、
「お腹が空いたのでコンビニ弁当を食べてるところよ。」

だそうでした(笑)



企画から準備、司会、バスの添乗員、音響係、集合写真のひな段組み立て係りと
すべて1人で奮闘したために
新婦と二人で撮影をする時間がほとんどありませんでした。
これはブライダルフォトグラファーとして大失敗です。
彼女には大変に申し訳なく思っています。
ごめんなさい。

でも今回のことで結婚式の裏方がいかに大変なことか分かりました。
そして今後の仕事をするにあたりとても勉強になりました。
自分ですべて段取りすることで
結婚式の仕組みがバッチリ分かってしまいました♪

でもなによりとっても楽しかったです。
結婚式は神社で本格的に。
サプライズで銀座の歩行者天国での集合写真。
披露宴は本格的なフレンチでしたが
列席者の皆さんも、驚いて、楽しんで、笑って・・・
久々に会う親族とも分け隔てなく触れ合うことができました。
「こんなに楽しい結婚式は初めてだよ!」
といつもは頑固者の伯父伯母からほめられて大満足です。
結婚式っていいもんですね。


by eos.1 | 2008-05-11 20:08 | ブライダル打合せ日記 | Trackback | Comments(10)
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Commented by まるま at 2008-05-12 03:46 x
あらら、次から次へと(笑)
全て滞りなく進むよりも思い出に残りますね!強烈に♪
ネタが増えて私はこういうほうが好きですけどね(笑)

一人複数役お疲れ様でした~
Commented by eos.1 at 2008-05-12 08:56
>まるまさん
次から次へと問題が発生しました(笑)
自分のことながらまるで小説みたいで笑ってしまいました。
でもおかげで想い出になりましたから
よかったのかな?って思います。
でも疲れました(笑)
Commented by マクガイバー at 2008-05-12 20:53 x
結婚式の一日が想像できるくらい事細かに書かれていたので感動しました♪
結婚式の段取りをすべてご自身でされていらっしゃったので、よりいっそう感激の涙だったと思います。
それにしてもハプニング続出の一日でしたね☆
良い結婚式の思い出ですね♪
Commented by eos.1 at 2008-05-12 23:13
>マクガイバーさん
ここまで書くのは大変でしたが
今でもしっかり光景が眼に焼きついております。
失敗が多かったからこそ想い出になったのかもしれませんね。
Commented by asante_sana at 2008-05-12 23:55
次々押し寄せるトラブルにハラハラしながら読みきってしまいました。
お疲れ様でございましたーm(_ _)m
いかに本番は何が起こるかわからない、予測不能ですね。
ありがたく参考にさせていただきます!
Commented by シルク at 2008-05-12 23:58 x
↑すみません、上のasante_sanaは私です。普段のブログの方から書き込みに行ってしまいました。失礼しました。
Commented by eos.1 at 2008-05-13 08:49
>シルクさん
本当に計算出来なかったことが山ほどありました。特に荷物に関してはダイレクトに結婚式場に送付してもらったので、荷物の個数やサイズを把握し忘れました。手元にるものだけで計算したのが失敗でしたね。
でも次は完璧な結婚式が出来るでしょう!


って次はないですが(笑)
Commented by sarah000329 at 2008-05-16 10:59
結婚おめでとうございます。
って、結婚はとうにしてるんだけど、式を挙げたらやっぱりもう一度
言わなくてはという気になってしまいました。 (笑)

本当に大変でしたねーー。
お疲れ様でした。新郎が結婚式で泣く事って最近多いらしいですよ。
男性の方がやっぱりロマンティストなんですね。
Commented by eos.1 at 2008-05-16 22:06
>sarah000329さん
ありがとうございます。
入籍をして新婚旅行
結婚式を挙げて新婚旅行
とりあえず区切りですから(笑)
そうですよ
男性の方がロマンチストなことは間違いない事実ですよ。
でも疲れたけど楽しかったです。
Commented by yanagihiroco at 2008-05-31 15:05
こんにちは!改めまして「ご結婚おめでとうございます」いや、「結婚式お疲れ様でした!!」かな(笑)。遅れましてすみません。自作自演の結婚式、やりたいって人はいますが、ほんとにやっちゃう方は初めてです~。それにしても銀座での集合写真、まるでドラマみているみたいでした。現実の光景なんですよねぇ。エネルギッシュで優しさが散りばめられている一日だったようで本当によかったですね☆☆☆
いや~、次はバリで披露宴第二弾をやるって手もあるんでは・・・(笑)。
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