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出会い系運営会社1億円脱税容疑 「サクラ」被害の声も(1/2ページ)

2009年7月25日19時26分

 出会い系サイトの運営で得た所得約3億3千万円を隠したとして、東京国税局がシステム開発会社「フリーワールド」(東京都新宿区)と福田裕志社長(38)を、法人税法違反(脱税)容疑で東京地検に告発していたことが分かった。同社は既に修正申告を済ませている模様だ。

 複数の業界関係者らによると、同社は「ご近所サーチ」や「マリアージュ」といった名称の出会い系サイトを次々と開設、運営していたが、架空の業務委託費などを計上するなどして所得を圧縮。07年9月期に約3億3千万円の所得を隠し、法人税約1億円を免れたとされる。

 同社が運営するサイトはポイント制で、利用者がサイトを閲覧したり異性にメールを送ったりするなど利用するごとにポイントが減る仕組み。

 利用者は主に、同区内に設立された「レジェンド」や「イースト」などの複数の有限会社や合同会社の名義の口座に入金してポイントを事前に購入していた。これらはいずれも実態が乏しいダミー会社だとして、国税局はフリーワールドの売り上げに該当すると認定した模様だ。

 同社のサイトに関しては、客を装った関係者が高額の資金提供を持ちかけたり芸能人を名乗ったりして異性を誘う、いわゆる「サクラ」を使っているとの指摘が多く、「サクラから次々とメールが届いてポイントがマイナスになるまで消費され、追加料金を求められた」などといった利用者からの苦情が絶えないという。

 同社は取材に「査察を受けたかどうか分からない」などと話した。

 東京・新宿の古いビルの2階に、「フリーワールド」の拠点はあった。

 ドアを開けると、広大なスペースに整然と机が並び、パソコンが置かれていた。120台ほどあるという。若い男女のスタッフが画面に向かい、キーボードをたたき続ける。24時間態勢だ。

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