原環境保健部長が水俣病被害者に陳謝

　環境省の原徳寿環境保健部長が水俣病被害者に不安を与えるような発言をしたとされる問題で、原部長が２５日、熊本県水俣市で被害者団体らと会談し「皆さんに非常に不快な思いをさせたことを心からおわびしたい」と陳謝した。

　一部新聞社のインタビュー記事に、原部長の「（水俣病診断のため現地医師が作成した）共通診断書は信用できない」「不知火海（八代海）沿岸では、体調不良をすぐ水俣病に結び付ける傾向がある」などとする発言が掲載され、団体側が抗議していた。

　会談で原部長は「（被害者が国などに賠償を求めている）裁判における国の立場を説明する中で発言したのは事実だが、必ずしも真意ではない」と釈明した。被害者らからは「水俣病への差別を助長した」「このままでは被害者救済は進まない」などの批判が上がった。

　会談後、原部長は報道陣に「今後、救済策を進めていくことで被害者のご理解をいただきたい」と述べた。（共同）

　［2009年7月25日17時7分］