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平成21年6月定例県議会

可決された意見書


(平成21年7月8日可決)

 私学助成制度の堅持及び充実強化に関する意見書

 警察官の増員に関する意見書

 義務教育費国庫負担制度堅持に関する意見書

 日本放送協会(NHK)の偏向報道に関する調査と行政指導を求める意見書

 万全な新型インフルエンザ対策を求める意見書

 国における平成22年度教育予算拡充に関する意見書

 国直轄事業負担金に係る意見書

 経済危機対策などに伴う地方負担の軽減を求める意見書


私学助成制度の堅持及び充実強化に関する意見書

 私立高等学校等(高等学校、中等教育学校、中学校、小学校、幼稚園及び特別支援学校)は、建学の精神に立脚し、新しい時代に対応した特色ある教育を積極的に展開し、公教育の発展に大きな役割を果たしている。
 しかしながら、私立学校の経営は、従来に例を見ない厳しい状況に直面しており、少子化による生徒数等の大幅な減少等は、私立学校の存続をも大きく揺るがしかねない、いよいよ重大な局面を迎えていると言わざるを得ない。
 公教育の将来を考えるとき、公私相まっての教育体制が維持されてこそ、健全な発展が可能となり、個性化、多様化という時代の要請にもこたえ得るものである。
 そのためには、私立学校振興助成法第1条に規定するとおり、公立高等学校等に比べてはるかに財政的基盤の脆弱な私立高等学校等に対する財政措置の充実が必要不可欠であり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立学校の経営の健全性を高めていくことが強く求められている。
 これは、各都道府県の所管事項とはいうものの、我が国の将来の発展に密接不可分の関係にある教育の振興に関する事柄であり、国の全面的な財政支援が欠かせないところである。
 よって、国においては、現在、国と地方の役割を見直し、財政面での地方分権改革を推進中ではあるが、こと教育に関しては、国家百年の大計のため、教育基本法第8条及び教育振興基本計画の趣旨にのっとり、私立高等学校等教育の重要性を認識され、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持され、より一層の充実を図られるよう強く要望する。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

【提出先】参議院議長 衆議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 文部科学大臣


警察官の増員に関する意見書

 首都圏にあって豊かな自然に恵まれた広大な県土を有する千葉県は、成田国際空港、千葉港という二大国際交流拠点を擁し、農業、水産業、工業、商業のいずれの分野においても全国有数の地位を占めるなど、多様性に富み、21世紀のさらなる発展が期待されている。
 本県の治安をめぐる情勢は、刑法犯認知件数が戦後最多を記録した平成14年から6年連続で減少し、10年前の水準を下回るまでに回復したものの、昨年の刑法犯認知件数は約10万800件と、治安がよいとされていた昭和40年代と比べると約3倍にも上り、依然として県民の求める水準には遠く達していない。
 とりわけ、体感治安に大きな影響を与える街頭犯罪や侵入犯罪は、いまだ高水準で推移しており、10年前と比較して自動車盗が約1.3倍、住居侵入が約1.5倍となっているほか、本年に入ってからは、ひったくりが急増するなど、県民の不安感は増大している。
 さらに、国際海空港を擁する本県は、国際テロ対策、薬物・銃器等輸入禁制品の密輸事犯の水際対策を強力に進めることが、国の治安を維持する上で欠くことのできないものとなっており、加えて、「成田空港問題」においては、本年10月に供用開始が予定されている暫定平行滑走路の北側延伸工事等に反発したテロ・ゲリラ事件のさらなる発生の危険性が高まっている。
 このように、警察の業務が著しく増加するなかにおいて、警察官1人当たりの負担を見た場合、本県は、平成13年度以降、1,727人の増員を得てもなお、人口、刑法犯認知件数、110番受理件数の各負担は、全国の中でも極めて重い状況が続いていることから、現体制では、県民が期待する警察活動に支障が生じかねない憂慮すべき状況にある。
 よって、国においては、行財政事情の厳しい折りではあるが、本県の特殊ともいえる状況に特段のご高配を賜り、県民が安全で安心して暮らせる良好な治安を維持するため、本県警察官の大幅な増員がなされるよう強く要望する。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

【提出先】内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 国家公安委員会委員長 警察庁長官


義務教育費国庫負担制度堅持に関する意見書

 義務教育費国庫負担制度は、憲法の要請に基づき、義務教育について義務教育無償の原則にのっとり、子供たちの経済的、地理的な条件や居住地のいかんにかかわらず無償で義務教育を受ける機会を保障し、かつ、一定の規模や内容の教育を保障するという国の責務を果たすものである。
 義務教育に係る経費負担のあり方については、平成17年11月の政府・与党合意「三位一体の改革について」において、「義務教育制度の根幹を維持し、義務教育費国庫負担制度を堅持するという方針のもと、費用負担について小中学校を通じて国庫負担の割合を3分の1とし、8,500億円程度の減額及び税源移譲を確実に実施する」とされた。
 また、平成18年6月に公布・施行された「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(行革推進法)」は、児童及び生徒の減少に見合う数を上回る数の純減をさせるため必要な措置を講ずるものとされた。
 しかしながら、児童生徒の基礎学力の向上や、いじめ、不登校児童生徒への対応等、喫緊の教育課題を解決し、多様な教育を展開するためには、むしろ教職員の定数改善が必要と言える。次期教職員定数改善計画が策定されないまま、国の歳出歳入一体改革に伴う歳出削減が行われると、義務教育の機会均等とその水準の維持向上に大きな影響を及ぼすことが憂慮される。
 また、義務教育費国庫負担制度が廃止された場合、義務教育に大きな水準格差が生まれることは必至である。
 よって、国においては、21世紀の子供たちの教育に責任を持つとともに、教育水準の維持向上と地方財政の安定を図るため、義務教育費国庫負担制度を堅持するよう強く要望する。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

【提出先】内閣総理大臣 財務大臣 文部科学大臣


日本放送協会(NHK)の偏向報道に関する調査と行政指導を求める意見書

 公益性から法人税を免除されている日本放送協会、NHKは、放送法に基づき、「公正・公平・中立」な番組編集を大前提として、視聴者の受信料により成り立ち、放送を行っている。
 そのNHKで本年4月5日に放送された「NHKスペシャル−JAPANデビュー」第1回の「アジアの“一等国”」は、台湾統治時代の日本が台湾人を差別や弾圧ばかりしていたかのような印象を視聴者に与える報道内容で放送された。
 番組内で、日本語世代の台湾人から日本統治時代の経験や記憶について取材しているシーンがあるが、この出演者は、後日、一様に差別を受けたと述べていることについて、日本統治時代の良い面も同時に述べている実態がほとんどカットされているとしており、放送は、NHKによる恣意的な編集と言わざるを得ない内容となっている。
 また、台湾の成り立ちの部分やありもしない「日台戦争」をでっち上げるなど、その内容はおよそ「公共放送」にはあり得ない編集による番組である。
 一方で、1997年台湾の国民中学校の教科書に採用された「認識台湾」の歴史編に客観的な史実に基づき肯定的に記述されている、日本の台湾統治時代に日本が教育や衛生関係を初め幅広いインフラ整備に予算を投入し台湾近代化の基盤づくりに貢献した史実は全く無視されている。
 同番組の内容は、あたかも、日台間の関係を意図的に悪化させるのが目的であるかのような印象をも受けるものである。
 公共放送たるNHKのこうした姿勢は、公正・公平・中立の観点から放送法違反の疑いも濃厚であり、到底容認できるものではない。
 よって、国においては、同番組の編集姿勢と内容について、主務大臣による調査及びその結果による行政指導を直ちに実施するよう強く要望する。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

【提出先】内閣総理大臣 総務大臣


万全な新型インフルエンザ対策を求める意見書

 本年4月末、メキシコやアメリカ合衆国等での新型インフルエンザの発生を受け、世界保健機関(WHO)は、それまでの警戒レベルである「フェーズ3」を、患者の増加や他地域への感染の広がりが認められるとして「フェーズ4」、その後、「フェーズ5」へと上げ、対策の強化を求めてきた。
 しかしながら、各国の警戒のなか、新型インフルエンザ患者の発生は増加を続け、世界70か国以上に感染が広がったことを受け、WHOは6月11日、さらに警戒レベルを最高レベルの「フェーズ6」へと引き上げることを決定し、1968年の「香港風邪」の流行以来41年ぶりに、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)を宣言した。
 我が国においては、検疫における水際対策により、入国段階で患者及びその接触者が把握され、しばらくの間は国内での患者発生はなかった。その後、関西地域を中心に流行が認められたことを受け、国は、水際対策から国内の感染拡大防止対策へと軸足を移し、検疫体制を縮小した。
 この結果、国内の患者が感染源となった感染の拡大は終息しつつあるが、一方で、国外からの帰国者等を中心とした患者の発生は全国に及んでいる。また、現在冬の時期にある南半球では、急激な感染の拡大が認められている。
 本県には、我が国の表玄関である成田国際空港や千葉港があり、今後、検疫を通過する患者の増加に伴い、患者が利用する公共交通機関や空港内での感染拡大が危惧されるところである。
 よって、国においては、多くの患者が発生している国からの入国者等については検疫を強化し、特に、成田国際空港やこれに接続する公共交通機関等での感染の拡大が起こらないよう、万全な対応を図るよう強く要望する。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

【提出先】内閣総理大臣 厚生労働大臣


国における平成22年度教育予算拡充に関する意見書

教育は、新たな教育基本法の精神にのっとり、日本の未来を担う子供たちを豊かに教え・育てるという重要な使命を担っている。しかし、日本の教育を取り巻く課題は、いじめや不登校の問題、社会性や規範意識の低下、特別な支援が必要な児童生徒への対応、外国人児童生徒に対する教育など多様化・複雑化しており、まさに学校、家庭、地域が一体となって社会総がかりで教育再生に取り組む必要がある。
 国においては、新しい教育基本法に基づく教育振興基本計画が作成され、今後10年を通じて目指すべき我が国の教育の姿を示すとともに、国としてこれから5年間に取り組むべき具体的な教育施策を明らかにするものであり、我が国の教育を再生していく上で、重要な役割を担うものである。
 また、新学習指導要領への移行による授業時数の増加や小学校における外国語活動の必修化等に伴う経費の確保も急務である。
 すべての子供たちに教育を受ける権利をしっかりと保障し、高い水準の教育が行われるよう、具体的な施策が示されようとしている今こそ、教育現場の一新のために必要な予算の充実から始めなければならない。日本の未来を見据え、今なすべきことを着実に実行するために、子供たちの教育環境の整備を一層進める必要がある。
 よって、国においては、下記の項目を中心に、来年度に向けて必要な教育予算を確保することを強く要望する。


  1. 子供たちに、きめ細かな指導をするための次期教職員定数改善計画を早期に策定すること。
  2. 少人数学級を実現するための義務教育諸学校における学級編制の標準を改善すること。
  3. 保護者の教育費負担を軽減するために義務教育教科書無償制度を堅持することや就学援助事業の拡大並びに育英奨学事業に係る予算を拡充すること。
  4. 子供たちが地域で活動できる総合型地域スポーツクラブの育成等環境・条件を整備すること。
  5. 危険校舎の改築や地域の防災拠点である学校の耐震補強やエアコン、洋式トイレ設置等の公立学校施設整備費を充実すること。
  6. 子供の安全と充実した学習環境を保障するための基準財政需要額改善による地方交付税交付金の増額。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

【提出先】内閣総理大臣 財務大臣 文部科学大臣

国直轄事業負担金に係る意見書

 公共事業に係る国直轄事業の負担金のあり方については、地方分権改革推進委員会において廃止・縮減等の抜本的見直しが必要との認識が示されているところであり、今般の追加経済対策においても、地域活性化のための公共事業が盛り込まれるとともに、地方負担を軽減する方策も取られていることなどから、4月24日には、同委員会において直轄事業の縮減や透明性の確保・充実、負担金のあり方の見直しなどの基本的な考え方を緊急に取りまとめ、意見書として示されたところである。
また、国及び地方の財政が厳しさを増す中で、負担金のあり方をめぐる議論が喫緊の課題として全国知事会からも提起されている。
よって、政府にあっては、こうした地方の声に重きを置き、直轄事業制度に係る下記の点について、速やかな見直しを行われるよう強く要請する。


  1. これまでの直轄事業に係る内訳明細の開示を行うとともに、負担金の経費内訳とその積算根拠を地方自治体へ情報開示すること。また、国と地方が対等な立場で協議し、地方の意見が反映されるよう、透明性の確保・充実に努めること。
  2. 維持管理費に係る負担金については、維持管理に責任を負う者が負担することが原則であり、早期に廃止すること。
  3. 整備費に係る負担金についても、国と地方の役割分担を明確にして直轄事業の範囲を必要最小限度にするとともに、地方の受益と負担の観点から必要な検討を行い、制度の根幹を見直すこと。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

【提出先】内閣総理大臣 総務大臣 農林水産大臣 国土交通大臣


経済危機対策などに伴う地方負担の軽減を求める意見書

 我が国が直面している未曾有の経済危機を克服するため、政府にあっては、4月10日に「経済危機対策」を策定し、21年度補正予算案を可決したところである。
この対策の中では、地方の逼迫した財政事情を考慮し、地方負担の軽減策なども図られており、地方における公共投資のための臨時交付金や、温暖化対策、少子高齢社会への対応、安心・安全の実現のための事業を実施する臨時交付金なども盛り込まれた。
よって政府においては、地方自治体の財源確保のため、下記の点に十分配慮し、きめ細かな対策を講じるよう強く要請する。


  1. 地域活性化・公共投資臨時交付金(1.4兆円)及び地域活性化・経済危機対策臨時交付金(1兆円)、さらには、経済対策関連の地方自治体に配分される15の基金などの運用に当たっては、それぞれの地域の実情や創意工夫に応じて柔軟に対応できるよう配慮すること。
  2. また、消費生活相談窓口機能強化を図るため積み増しが予定されている地方消費者行政活性化基金については、人件費にも充当できるようにすること。
  3. さらに、臨時的に21年度から3カ年の財源措置が行われている基金などについて、その後の地方負担のあり方について、十分検討を行うこと。
  4. 平成21年度まで実施されている公債費負担軽減対策の継続や、地方税の還付加算金のあり方について、急激に悪化している地方税財源の状況を勘案して検討を行うこと。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

【提出先】内閣総理大臣 総務大臣



 問い合わせ先  議会事務局議事課議事班
 電話 043-223-2515
 FAX. 043-222-4073


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