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あなたのコトバで世界を変える

食のココロ

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漠然と、菜食に憧れている。
私の知っている菜食の人たちは、細くてしなやかな身体つきで、若々しく、肌がツヤツヤしている。「いろいろ本を読んで考えて、お肉を食べるのをやめたんだ」とか、「ファーストフードやお肉を食べると、じんましんが出てしまう体質なんだ」とか、理由は様々だけれども、思考がクリアな人が多い…気がする。自分のジャンクな食生活を、すぐに変えるのは無理だけど、「お試し短期間」だったら、菜食を実行出来るかな?そう思って、「動物性のものオールNGの一週間」をやってみることにした。

1日目、夕飯からスタート。

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スケジュールの関係で、夕飯からスタート。この日はちゃんと料理する時間的余裕がなく、納豆ごはんにキャベツ味噌汁、と簡単なものになってしまった。 納豆は豆のくせに、主役をはれる。実力者だと思う。キャベツは味噌汁にすると、量がいっぱい食べられてうれしい。ちなみに味噌汁は、かつおではなく、昆布だし。 和食の基本って、菜食なのねー、と、あらためて思った。

2日目、パンチのあるハーブは有効

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朝、タマネギの味噌汁と、おから(残り物)。 昨夜も味噌汁だったけど、食材がタマネギしかなく、肉エキスの入ったコンソメも使えないので、仕方なく再び味噌汁に。あとは十穀米。十穀米は歯ごたえがあって、赤飯みたいな味で、面白い。どう身体にいいのか、分からずに食べているのだが。 昼、冷やし中華のパクチーのせ。 家の残り物の冷やし中華に、残り物のきゅうりを乗せて、駅前の八百屋で安かったパクチーを山ほどぶっかけただけのもの。ハーブはパンチがきいていて、食べ応えがあっていい(ただ、パクチーが苦手な人は悶絶する味だとは思う)。麺モノは野菜不足になりがちだけど、この方法だとたくさん食べられる。薬味は、お肉無しライフを楽しくしてくれる感じかする。 夜、おじや、青菜炒め。 味噌汁を昼にわかし直しておいたら、腐っていなかった。残りごはんを入れて、ネギを入れておじやに。あと、空芯菜を炒めた。

いきなり、自分の料理スキルの無さを、さらすようなメニューになってしまった1日。仕事しながらだと、なかなか料理は難しい…。しかしこれでは意志のある菜食ではなくて、ただのズボラな人だ。続けられるのか?

3日目、炊き込みごはん失敗、外食の誘惑

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朝、昨日から仕込んでおいた、にんじんとしめじの炊き込みご飯、そしてキャベツの味噌汁。 前夜がおじやで軽過ぎだったため、異常にお腹がすいて、ごはんの炊けるにおいで目がさめた。 でも味加減に失敗したようで、味はイマイチ…。多めに炊いてしまったので、途方に暮れた。 昼、炊き込みご飯に玉ねぎを入れて、チャーハンにしてみる。ましにはなったが、根本的解決にはならず。

夜、友人と会う。立ち飲みフレンチに行ったのだけれど、案の定、食べるものがナイ! あると思っていたポテトフライはなく、イモと魚を一緒に煮たやつしかなかった。食べられない。 仕方なく、アスパラのサラダと、キノコのマリネを頼む。上に乗っていたマヨネーズやチーズはのけて食べた。美味しい店なので、サラダもマリネもすごく美味しかったんだけれど、圧倒的に量が足りず。 結局家に帰って、炊き込みご飯の残りを食べた。

スープが作りたくて、近所のスーパーで野菜コンソメを探した。でも「野菜がメイン」のコンソメがあっても、チキンエキスが入ってたりして、使えるものが無かった。専門店で買おう、と決意する。

4日目、大根のスープ作りに成功

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朝、食べられず出かけてしまった。 昼、街を歩きながら、悩んだすえ、フレッシュネスバーガーでオレンジジュース(フレッシュ)SとフライドポテトSを買う。500円。量に対して安くない…。やはり足らなくて、帰宅後に、コンビニで買ったわかめごはんおにぎりを食べた。 わかめごはんおにぎりでも、買う前に、原材料表示はチェック。4日目にして、原材料チェックは日常の動作になっていた。夕食は、スープ作った。これが結構うまく出来た。 大根を大きめに切り、椎茸の軸を割いたものと一緒に30分煮る→塩と昆布だしと酒で味付け→しいたけの傘部分をきざんで入れて煮る→三つ葉を散らす→ごま油をちょこっとたらす。 以上。 野菜から出たダシと、こんぶダシが、しみじみと美味しかった。簡単な料理なので、おすすめだ。 あとはごはんと、茄子のみそ炒め。

新宿の専門店で、野菜スープストック、べジミート入りパスタソース、べジインスタントラーメン、カレー等を買った。順次食べてみようと思う。カレー粉も買ったので、自分でレンズ豆カレーも作ろうと思った。

5日目、これが肉なしミートソース!?

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朝、前日の大根スープの残りと、ご飯と納豆。 昼、代用肉のミートソーススパ。 このミートソースが、何だかひと味足りなかった。食感は肉に似てるっちゃ似てるんだけれど。 味は、やっぱり違う。 これだったら、トマトとニンニクとハーブのパスタとか、ペペロンチーノとか、最初から肉を使わないパスタ料理を作ったほうが良いのかも、と思った。 夜。 イベントに出かける用事があって、渋谷のライブハウスへ。会場にはポテトフライは無かった。おなかペコペコになって、泣きながらの帰路、フレッシュネスバーガーがあったけれど、同じものを食べるのがなんとなく悔しくて、スルーした。 帰宅して、昆布だしうどん作る。 ずるずるー。

6日目、沖縄フェスで…。

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朝、茄子が残っていたので、また味噌いためを作る。あとごはん、わかめ味噌汁。 昼、そうめんに、大根すったやつと、しょうがをのっける。昆布だしで作ったつゆをぶっかけた、ぶっかけそうめん完成。 野菜がとれてないなあと反省していたので、大根を多めに入れた。

夕刻、中野チャンプルーフェスタに出かける。

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中野で毎年行われる、沖縄のお祭りだ。 同行者たちは、沖縄そば、タコライスそば、ソーセージ、サーターアンダギーなどつぎつぎ食べていたけれど、私は何も食べられず…。ううう。沖縄料理は、根本的に、豚肉とかつおだしがベースなので、オールアウトだ…。 仕方なく移動して、串焼き屋で野菜串、冷奴を食べる。

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冷奴にはかつおぶしがかかっていた。しょうがないので上の部分は人に食べてもらった。

帰宅後、やっぱり分量足りず、コンビニで買った赤飯と、自作味噌汁を食べた。やっとおなかがおちついた。

7日目、レトルトカレー&自作野菜スープ

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朝、ちょっと多忙で、レトルト(インド産)のほうれんそうカレー食べる。普通にうまい。油がたっぷり入っている感じ。 昼もカレー。今度は手作り。レンズ豆をゆでる(すぐゆだる)→カレー粉入れる→クミンホールを油でいったものを入れる→塩で味をととのえる。 とても手軽な豆カレーだ。 いつもは面倒くさいので、カレールーで作っているのだけれど…、ルーは肉エキス入ってるから使わなかった。 豆カレーは誰が作っても、無難に美味しいのでおすすめだ。

夕飯は、スイス産のベジタブルコンソメを使って、野菜スープ作ってみた。

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コンソメをベースに、にんじん、タマネギ、セロリ、トマトを入れてぐつぐつ煮る。

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ミネストローネの肉抜きみたいなものなんだけど、食べてみたら、やはりひと味足りなかった。いい野菜使わないといけなかったのか? せめてもの抵抗として、えごま油を一滴たらしてみた。ちょっと美味しくなった。やはり味のポイントって油なのか?

最終日、ベジインスタントラーメン

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朝は昨日の残りもののカレーとスープで、簡単にすます。昼はべジインスタントラーメン。残りものの三つ葉も乗せた。これが意外とスパイシーで、美味しいラーメンだった。ベジだとは、言われなければ分からないかも。これでベジ生活も終わりかあ…、と思ったら、肩から力が抜けた。

菜食体験生活を終えて

肉食いたいー!!!! という衝動は起きなかった。海外旅行に1週間くらい行っても、日本食が恋しくならない体質なので、実は食にあんまりこだわりがないのかもしれない、と自分を見つめ直した。

でも、いちばんストレスだったのは、肉が食べられないことよりも、「選択肢がない」ということ。スーパーで売っているもののほとんどは「肉、魚エキス」が入っているし、外食で安心して食べられるのは、本当にポテトフライくらいだ。

自作するにも…、レシピを多く知らないし、料理する腕もない。

菜食定食屋とかそこらにあったら、本当に楽なのに、と思った。普通の定食のように、おかず1品か2品、スープ、ご飯さえあれば。高いお洒落なレストランじゃなくて、そういう気軽な店が、あれば…もっと気楽に、菜食やってみようっていう人も、増える気がする。

また、私みたいな自宅仕事の人間はいいけれど、菜食の会社員の方ってどうしてんのかな? と大変さを想像した。お弁当を作っているとしても、会社の飲み会とか、どうされているんだろう…?

菜食中は、少しハイテンションで、足も軽く、歩くのがラクだった…気がする。あの気持ち良さはもう一度味わってみたい。でも外食でポテトしか選べない生活は、強い考えもなく、くじけやすい自分には厳し過ぎる。かつおダシのうどん位はオッケー、肉は「積極的には食べない」程度の、いわゆる「ゆるベジ」なら出来そうな気がするんだが…。

菜食定食屋の普及するその日まで、コツコツと、菜食料理を覚えて、作って食べていきたいと思う…。



大塚 幸代

大塚 幸代(おおつかゆきよ)
1972年埼玉生まれ。学生ライターを経て、1996年~2001年まで雑誌『クイック・ジャパン』編集部に在籍、現在フリー。ネット、雑誌を中心に活動。『「ライ麦畑」の正しい読み方』(飛鳥新社刊、共著)発売中。
> 個人サイト 日々の凧あげ通信



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