新日本フィルのサントリーホール定期に行ってきました。
今日の席はここ↓





所謂「P席」と言われているところで、
オケの真後ろ、ちょうどオルガンを背にして座ります。
目線がオケのときと同じ（ちょっと高いが）なのと、
音の聴こえかたがホール正面の客席とはまた違うので
けっこう好きなんです。安いし。

今回はちょっと行かれるかどうかわからなかったので安い席にしたのですが。
いやー、ここでも十分楽しめました。

本日の演目はオール・ショスタコ・プログラム。
ショスタコのVn協奏曲1番とレニングラード。
Vn協奏曲のソリストは渡辺玲子さん。
濃紅色のドレスが素敵。

そんで演奏は実に落ち着いた大人っぽい音色。
それでいて感情たっぷりに歌い上げてるのがいい！
楽器は正面に向かって音が飛んでいくのに、
後方の私のほうにもしっかり聴こえてくる。

ゆったりと歌う1楽章とは対照的に悪魔的な超絶の嵐の2楽章には目が点。
でも渡辺さんはすごく落ち着いているんですよ。
熱いだけの演奏じゃないって感じです
ショスタコのVn協奏曲を全部聴いたのは初めてで、
（部分的には聴いたことあったけど）
それにしても3楽章、泣けますねぇ。
静かに始まり恐ろしくダイナミックなカデンツァ！
なんと118小節もあるそうで（パンフに書いてあった）。
聴いてて圧倒されてそのまま4楽章に突入。
4楽章の盛り上がりはホントに見事でした。
聴いててドキドキしてきた。
楽器壊れないか、弦切れないか！というくらい激しい演奏で、
オケも思いっきり盛り上がって一気に駆け抜けた感じ。
それにしてもこんな超絶に難しい曲を
大人の雰囲気たっぷりに落ち着いた聴かせる音色で愉しませていただき、
ホント、ブラボーでした。

DSCHはドミトリー・ショスタコーヴィッチの頭文字のドイツ語標記が
D.SchなのでD・(Es)・C・Hの音形がモチーフとなってるそうで、
ショスタコの曲のなかでよく使われてるそうです。

あと、この曲、編成が変わっていて、
ボーンもトランペットもないのになぜかテューバが入る。
ショスタコはチェロ協奏曲1番も金管がないのにホルン1本っていう面白い編成なのですが、
テューバはなかなか効果的に使われてて面白かった。

で、メインのレニングラード。
さきほどとはうって変わって舞台ところ狭しと人・人・人。
ボーン6本、ペット6本、ホルン8本、其の他特殊楽器もりだくさん。

ものすごく巨大な1楽章。
途中でボレロのパロディかと各管楽器のそれぞれソロありで
確かに一つの楽章では長いとはいえ、
物語りみたいに展開してたのが面白かった。
敵軍の侵攻を告げるスネアドラムがとても印象的。

すばらしかったのはピッコロを吹いてたかたで、
ピッコロってどうも耳にキィィーン！という印象があるのだけど、
このかたのピッコロの音色、高音域なのに音がめちゃ柔らかいんですよ。
しかもブレスのタイミングとかまったく自然！
びっくりした。ピッコロでこんなに柔らかい優しい音が出るなんて。
あと、ファゴットトップの女性のソロもきれいだったなぁ。
女性のファゴット吹きさんは好き。動きが色っぽい。
チェロじゃなかったらファゴット選ぶね。

レニングラードって初めて聴いたので比較対象できないのですが、
演奏時間は75分強と確かに長いけど（終演は21時40分だった）、
とても濃厚な骨太の演奏で全く飽きなかったし、面白かった。カッコイイ！
指揮のジャッドさんは堅実な感じなのがかえってよかったと思う。
心ひかれてしまうのはショスタコの時折胸打つフレーズ。
低弦、大活躍の曲なんですよ、チェロおいしすぎだ！
これはいつか超巨大編成のオケでやってみたいなぁと思った。
金管があんだけそろっていてバシッときめてくれると気持ちいい！
一緒に盛り上がって駆け足してスカッとさわやかな気分になりました。

♪♪♪
新日本フィルハーモニー交響楽団
第402回サントリーホールシリーズ
指揮：ジェイムズ・ジャッド
ヴァイオリン独奏：渡辺玲子

ショスタコーヴィチ　ヴァイオリン協奏曲第1番
ショスタコーヴィチ　交響曲第7番「レニングラード」