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下市中学生の谷口明花さん

2009年07月22日

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就学通知書を手に喜びを語る谷口明花さん(右)と母の美保さん=奈良市の奈良弁護士会館

  ◆「英語部に」笑顔

 車いすの谷口明花(めい・か)さん(12)=下市町=が下市中学への入学を拒否された問題は21日、明花さん側の希望がかなう形で決着した。正式の就学通知書を受け取り、記者会見を開いた明花さんは初めての会見に緊張しながらも、「入りたいクラブは英語部。男の子しかいないけれど、男の子とも仲良くしたい」と笑顔を見せた。

 明花さんは、自宅で一人で学習している間に一番つらかったのは「友達に会えなかったこと」と話し、好きな韓国ドラマで気を紛らわせていたと明かした。町側が仮入学を認めた今月3日から11日間学校に通い、終業式の17日には通知表も受け取った。「問題は数学」というが、「うれしかった」とはにかんだ。実際に行った学校は、想像したより「先生の声が大きかった」といい、たくさんの宿題が出て「リハビリする時間がなくなって筋肉が衰えてきました」とうれしい悲鳴もあげた。夏休み中も補習のために7日ほど登校するという。

 母の美保さん(45)は、全国の支援者や下市中への感謝を述べた上で、町教委の堀光博教育長が16日に自宅に来て即時抗告の取り下げを伝えたとき、「申し訳ありませんでした」と謝罪したことを明らかにした。「今までのことを考えるとうちの敷居はとても高かったと思う。すぐに行動してくれて感謝している。それを頭を下げながら来てくれたことには思いはあります」と言葉を続けた。

 同席した代理人の児玉修一弁護士は「下市町に限らず他の市町村でも共同学習の大切さを普及啓発して欲しい。各自治体とも予算が潤沢にあるわけではないが、一人ひとりが知恵を出し合ったり工夫したりすることで今回のような問題が発生しなければいいなと思う」と話した。

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