南相馬市立総合病院(同市原町区、230床)は22日、脳神経外科の外来診察を8月3日から、原則として開業医などの紹介状を持つ患者に限定すると発表した。医師不足が深刻化する一方、外来患者が増加し、入院患者の診察や手術に対応できなくなったのが理由という。
同病院によると、同科の勤務医は2人。相双地方では、同科で入院可能な医療機関が同病院の他1カ所、同市内にあった。その「渡辺病院」が6月末で病床を廃止し、外来も週2日に縮小。そのため、市立病院の外来が急増した。今年1月の外来患者は472人、うち初診患者108人だったが、6月にはそれぞれ590人と177人に増えた。初診の割合が23%から30%に増え、半数は紹介状を持たず、軽症も多いという。
今後は市内の開業医が初診し、入院や手術が必要な重症患者を市立病院で診察する“分業体制”となる。夜間や緊急の患者はこれまで通り受け入れる。
会見した副院長の及川友好脳神経外科長は「市立病院なので気軽に使ってもらいたいが、手術すら予定通りにできない状態。一病院ではなく、地域による完結型の医療に変えないと、医師不足に対応できない」と話した。【関雄輔】
毎日新聞 2009年7月23日 地方版