皆既時間が今世紀最長の皆既日食が22日に起きる。気象庁によると、皆既日食となる鹿児島県・奄美地方は梅雨前線の影響などで曇り。部分日食も同日午前から昼過ぎにかけて全国で見られるが、那覇や新潟県佐渡など一部を除き、全国的に曇りがちの残念な天気となりそうだ。【足立旬子】
太陽が欠け始めるのは那覇午前9時32分▽福岡9時37分▽大阪9時47分▽名古屋9時49分▽東京9時55分▽仙台9時59分▽札幌10時4分。皆既日食の始まりは、トカラ列島・悪石島10時53分、奄美大島10時55分、屋久島10時56分、硫黄島11時25分。
鹿児島地方気象台によると、皆既時間最長の6分25秒の悪石島を含む奄美地方は、梅雨前線が南下する影響や南から湿った空気が入り込むため、朝方まで雨が降り続き、午前中は雲が広がるとみている。担当者は「厚い雲が広がり、観測はかなり難しいのではないか。雲の切れ間が出れば、そこから見える可能性もある」と予測する。関東地方も東京は明け方まで雨で、午前中は曇りの見通し。
気象情報会社ウェザーニューズ(東京)は世界で一番早く皆既日食が始まるインドから中国、日本の奄美地方へと皆既日食の様子をライブカメラで撮影していき、その様子をインターネット(http://weathernews.jp/solive24)上で生中継する。しかし、インドのムンバイは雨、中国の武漢と上海は曇りのち雨と予報している。
また、天文ファンや研究者でつくる非営利団体「ライブ!ユニバース」(会長、尾久土正己(おきゅうどまさみ)・和歌山大教授)は、奄美地方のほか、中国やキリバスなど国内外で撮影した皆既日食をインターネット(http://www.live-eclipse.org)で中継する。
毎日新聞 2009年7月22日 東京朝刊