【’09政権選択】無策/落とし穴/おくりびと/バカヤローの解散
各界の識者5人に、今回の解散劇を「○○解散」と名付けてもらった。
「これまで政策論議もされず、日本をどうするかという戦略もなかった。本来なら手段である政権交代が目的になっている」。こう指摘し、無策解散と命名したのはジャーナリストの櫻井よしこ氏だ。
櫻井氏は「現状は政権交代の前に重要な問題が無視されている。日本は政党のためでなく、日本人と日本国のためにある。政権交代さえあれば問題はすべて片付くというファンタジーが蔓延(まんえん)しているが、幻想でしかないことを認識しなければならない」と手厳しい。
麻生太郎首相の祖父、吉田茂元首相の“バカヤロー解散”にちなみ、バカヤローの解散と名付けた識者は2人だった。
政治評論家の屋山太郎氏は「戦後、無能な総理はたくさん出たが、麻生氏ほど無能、無知、先見性のない総理はいただろうか。最悪のゆえんは、麻生氏がまったく時局を認識していなかったことだ」と麻生首相を批判した。
「日本の最大の政治課題は官僚内閣制の行き詰まり」とする屋山氏は「麻生氏は『100年に1度の大不況』を口実に官僚制度を温存、意味のない景気対策で赤字国債を積み上げた。祖父はバカヤロー解散をやったが、孫はバカヤローの解散だ」と語った。
同様のネーミングをしたコラムニストの勝谷誠彦氏は「解散は自民の終わりの始まりだが、本来、自民はいまだフィクサー気取りの森喜朗氏の(首相)時代に終焉(しゅうえん)を迎えていた。それが小泉純一郎氏というトリックスターの登場で、無駄に4年間延命しただけ」と自民がすでに死に体であると強調した。
米アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「おくりびと」になぞらえて、おくりびと解散としたのは、漫画家のやくみつる氏。
「麻生氏にはせめて美しい死に化粧を施して、自民を黄泉(よみ)の国へ旅立たせてほしい。次期衆院選は自民と民主の二大政党制の始まりではなく、新たな離合集散の序曲だ」と述べ、政界再編につながる選挙となると分析した。
やく氏はその上で「麻生氏は小泉元首相のあしき部分を踏襲し、自分も弁が立つと思っていたが、逆に国民の反感を買った。麻生氏自身、徹底的に知恵が不足していたが祭り上げた自民党本部、党員にも責任がある」と、今回の事態を招来した責任が自民党全体にあると指摘した。
「反日メディアの掘った落とし穴に自らはまり込んだ結果の解散。メディアや世論に振り回され、ぶれてしまったことが麻生氏のミスだった」と理由を示し、落とし穴解散と名付けたのは作曲家のすぎやまこういち氏だ。
すぎやま氏は「『民主に一度やらせてみよう』というのは極めて危険な考えで、たとえ短期間でも外国人参政権付与など外国による日本支配の第一歩となる取り返しのつかない法案が通りかねない。メディアに惑わされない若いネット世代こそ投票所に行ってほしい」と幅広い世代の投票行動を求めた。
- 2009衆議院選挙特集 (立候補予想者名簿やニュース畑の意見など、gooニュース)
- 過去の解散の主な通称 (衆議院解散とは - goo Wikipedia)
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