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列島包む宇宙の神秘 県内各地で日食観察会 7月22日(水)

最も太陽が欠ける「食の最大」を迎えた部分日食=22日午前11時9分、長野市の信毎本社屋上から

 厚い雲の上で太陽が月の陰に完全に隠れると、辺りは漆黒の闇に包まれ、宇宙の神秘に歓声と拍手がわき起こった。22日、国内の陸地で46年ぶりに起きた皆既日食。鹿児島・トカラ列島の悪石島や奄美大島は曇りで“黒い太陽”は姿を見せなかったが、観測者は「普通ではできない体験」と興奮気味。全般に曇り空だった県内でも、太陽の7割ほどが月に隠れる部分日食が観察され、雲間から望む幻想的な光景に人々が歓声を上げた。

 長野市小島田町の市立博物館には午前9時すぎから親子連れなどが集まり、一時は500人ほどに。天体観測の市民団体や長野高校天文地球科学班の生徒らがボランティアで観察を手伝った。市内の主婦大谷順子さん(37)は会場で手作りした日食グラスを掲げ、「予想外にはっきり見える」と感激していた。

 須坂市豊洲小学校では、地元公民館主催の観察会に児童や住民が参加。太陽が最も欠けて見える午前11時9分が迫ると、全校児童約270人が校庭に出て天体ドラマを見守った。6年の高野日南子さん(12)は「ちっちゃい三日月みたい」と興奮気味。

 朝から雨が降った諏訪郡原村の八ケ岳自然文化園。欠けた太陽が断続的に雲間から現れ、約200人の来園者が「見えた、見えた!」「欠けてる」と声を上げた。休暇を取って都内から訪れた会社員榎本裕一さん(39)は動画の撮影にも成功。「三日月のように欠ける様子がはっきり確認できた。泊まりがけで来たかいがあった」と満足そうだ。

 南佐久郡南牧村の国立天文台野辺山には、約1千人の応募から抽選で選ばれた県内外の約90人が集合。皆既日食が観測できた硫黄島からのインターネット中継を大型テレビ2台で見守った。

 午前11時25分、太陽全体が月に隠れると「きれい」「不思議だね」と歓声。5分ほどの皆既が終わった直後に現れた「ダイヤモンドリング」には拍手も起きた。東筑摩郡波田町の農業原田太一さん(25)は「屋外での観察はできなかったが、皆既日食の映像を見ることができて雰囲気は味わえた」と喜んでいた。

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7月22日(水)の県内ニュース

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