(CNN) 6月のイラン大統領選で現職のアフマディネジャド氏に敗れ、選挙の不正を訴えている改革派のキャルビ元国会議長は19日、支持者らの前で演説し、政権側が抗議行動に対する暴力的な弾圧を否定しているのは「浅はかで明白なうそだ」と非難した。同国のアフタブ通信が伝えた。
キャルビ氏は演説で、「人々の目の前で若者を殺しておきながら、武器は持っていなかったなどとどうして言えるのか。国家の一員として恥ずかしい」と、政権側を厳しく批判した。同氏はまた、「私も襲撃を受けた」として、同氏自身が17日に体制側民兵組織バシジのグループに襲われたとの報道を認めた。
キャルビ氏はそのうえで、現在の情勢は、反政府暴動の拡大が王制崩壊につながった79年のイラン革命前夜を連想させると述べた。
同国では大統領選後、改革派が連日大規模な抗議デモを実施。護憲評議会は調査のうえでアフマディネジャド氏の再選を確定したが、改革派は新政権の正当性に懐疑的な姿勢を示している。17日にはラフサンジャニ元大統領が政権に対し、抗議行動での拘束者を釈放するようあらためて要求した。19日には、南部シラーズの大学で数十人の学生らが拘束者釈放を求め、イラン革命当時の歌を歌いながらデモ行進する場面の映像がインターネット上の複数のサイトで流れるなど、混乱の余波が続いている。