2009.07.19 Web posted at:  18:37  JST Updated - CNN
サイエンス

「夜型人間」は夜間のピーク活用を カナダの研究チーム

専門家は、不眠症とみられる人々の一部が生物学的に夜型だと指摘する

(CNN) 一般より遅い時間まで起きられず、夕方以降になると元気が出てくる「夜型人間」には、夜間に「朝型人間」にはみられないような活力のピークがあることが、カナダ・アルバータ大のチームによる研究で分かった。チームは夜型の人々に、このピークを意識的に活用するよう勧めている。

チームでは、自己申告に基づいて朝型、夜型と判定された人それぞれ9人を対象に、脚の筋肉の力を測った。測定は1日のうちに何度か繰り返し、時間帯によって数値が変化するかどうかを調べた。

その結果、朝型のグループでは1日中、筋力にほとんど変化がみられなかった。一方、夜型グループについては、午後9時前後に最大の数値が出ることが明らかになったという。

チームによると、大脳皮質の運動をつかさどる部分(運動野)と脊椎(せきつい)、それぞれの「興奮性」は時間帯によって高くなったり、低くなったりする。夜型の人は、運動野が最も興奮しやすい時と、脊椎の興奮しやすい時が一致し、その時間帯に筋力が最大になるという。朝型の人の場合、運動野と脊椎の活性化するタイミングが重なることはなく、結果として筋力はいつ測定してもほぼ一定の値を示すと考えられる。

夜型のスポーツ選手は、夜間に競技があれば最大の力を発揮できる一方、午前中の競技では不利になる。朝型の選手にはこうした波がないため、時間帯の影響を受けにくい。一般の人々がジムなどで体を動かす場合も、「夜型人間は時間を選び、夜に運動するほうが調子が出るはず」と、チームでは提案している。

一般的に朝から夕方にかけてが勤務時間となる米国型社会は、朝型人間向けといえる。不眠を訴える患者が実は夜型だったというケースも少なくない。専門家らによれば、朝型、夜型といった体内のリズムには遺伝的要因がかかわっていて、完全に変えることは難しいとの研究も報告されている。

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