(CNN) 先月12日の大統領選以来、情勢不安が続いているイランで今月17日、人権派女性弁護士のシャディ・サドルさんが政府機関要員に拉致された。イラン国際人権運動が複数の目撃者の発言として発表した。
サドルさんは知人とともに金曜日の礼拝に向かう途中、私服姿の複数の男に殴られ、車で連れ去られた。サドルさんはその後夫に電話し、首都テヘラン市内のエビン拘置所に収容されていることを告げた。情報機関は夫の自宅を家宅捜索したうえ、妻サドルさんの事務所の鍵を要求したという。
同運動によると、サドルさんは骨などの疾患で薬を必要としており、来週手術を受ける予定。イランではここ数日、人権派弁護士3人が相次いで当局に拘束されており、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも、サドルさんのような社会活動家を拘束する動きが強まっていると指摘する。
保守穏健派のラフサンジャニ元大統領は、イランの情報機関や治安要員に対し、法の順守と、選挙の不正疑惑を主張する改革派の抗議集会で逮捕された同派支持者の釈放を要求している。こうしたなか治安当局は、抗議デモを催涙ガスで散会させたうえ、最低40人の参加者を拘束し、トラックで連れ去った。
同運動は、大統領選以来拘束された2000人余りの釈放を呼びかけるとともに、国連と国連人権理事会に現地調査の実施を促している。