テヘラン(CNN) イランの保守穏健派とされ、先月12日の大統領選で改革派のムサビ元首相を側面支援したラフサンジャニ元大統領が17日、テヘラン大学での金曜礼拝で演説し、選挙の不正疑惑を主張する改革派の抗議集会で逮捕された同派支持者の釈放を要求した。
元大統領はこの中で「彼らを拘束する必要はない。体制は彼らを必要としている。対応を考えれば彼らは体制に戻ってくる」と述べた。金曜礼拝には数万人が参加。元大統領はまた、大統領選の開票結果に触れ、多数の有権者が疑問を抱いているとし、何らかの措置が必要との考えも示した。
ラフサンジャニ氏は、最高指導者ハメネイ師の罷免権を保持する専門家会議と、最高評議会の議長を務める実力者。再選を決めたアフマディネジャド大統領の強硬路線に批判的で、ムサビ氏支持に回ったが、大統領選後の改革派集会に参加した娘、近親者が一時拘束されるなどの圧力も受けていた。アフマディネジャド大統領は16日の演説で、間接的なラフサンジャニ氏批判にも言及している。
元大統領の17日の演説は、大統領選の混乱に関する発言も含め、今後の改革派の動向を占う意味でも注目されていた。元大統領はムサビ氏ら改革派を糾合し、政治組織を結成する動きも見せているとされる。
一方、金曜礼拝の参加者によると、警官隊が参加者を規制するため催涙弾を発射した。ムサビ元首相陣営が選挙戦で使ったグリーンの腕章を標的に撃ち込んだとの情報がある。拘束者や負傷者の有無は不明。