医師不足などで経営が悪化している市立能登川病院と蒲生病院の二つの市立病院を抱える東近江市は、地域医療を守るため、国立病院機構滋賀病院や市内医療機関との連携強化や機能分担などを考える「東近江市地域医療体制検討会」を27日に立ち上げることを明らかにした。
同市の市立病院問題は、昨年1月に病院等整備委員会を設け、議論を交わしてきたが、今年2月の市長選のため結論が先送りされてきた。市長選でも争点の一つになった市立病院問題はその後、「医師の確保は予想以上に難しく、現状のまま市立病院を運営していると、地域医療の確保が困難になる」との見方から早急に取り組むことになった。
検討会の委員は地元医師会長や病院関係者、市民団体の代表ら19人を予定しているが、二つの市立病院に医師を派遣している京都府立医大や滋賀医大の学長も迎え、病院再編も含めた厳しい意見が交わされそう。
市は検討会に先立ち、18日~20日、4回にわたって「市立病院の現状と課題」について住民説明会を開き、医師数の減少に伴って収益が確保できず、経営が極めて難しくなっていることなどを説明する。蒲生地区のあかね文化ホールで18、19日に、能登川地区のやわらぎホールで19、20日に行う。【斎藤和夫】
毎日新聞 2009年7月18日 地方版